Chess365 と他の詰チェスの練習方法の比較:Lichess、Chess.com、ChessTempo、ポルガーの問題集

自分の対局でメイトを見逃さないようになりたいなら、チェックメイト問題を解きなさい。よく聞く助言です。解く場所には困りません。大きな無料のパズルサイトがあり、有料の会員制サービスがあり、専門的なトレーニングサイトがあり、分厚い紙の問題集があります。Chess365 はその選択肢のひとつで、作ったのは私です。その前提で読んでいただければと思います。それぞれの良いところと、単に道具としての性格が違うところを、なるべく公平に書くつもりです。
Chess365 とは
Chess365 は iPhone・iPad・Android 向けの詰チェスアプリです。2手・3手・4手・5手メイトを各1000問、合計4000問収録しています。いつも白番です。問題はアプリ自前のソルバーで生成し、検証しました。最短の手数が表示どおりであること、初手(キームーブ)が唯一であること、白の駒がすべて必要であること、飾りの黒の駒がないこと、実戦にありうる駒の構成であることを確かめてあります。
答えを読むのではなく、自分で指します。ルール上指せる手なら、正解でも不正解でも指せます。黒は自動で応じ、まだメイトに持ち込める筋なら最も粘り強く受け、そうでなくなれば逃げます。メイトせずに終われば失敗、ステイルメイトも失敗で、3回までやり直せます。昇格ではクイーン以外の駒も選べます。アンダープロモーションが正解の問題もあるからです。
そのほか、世界共通の「今日の一問」と連続記録、動かす駒と行き先を点滅させるだけで指すのは自分に任せるヒント、難易度ごとの統計があります。オフラインで動き、アカウントもランキングもパズルのレーティングもありません。広告つきの無料アプリで、1回だけの購入で広告を消せます。サブスクリプションはありません。
ひとつ、はっきり書いておきます。これはコンピューターが生成した練習問題です。正しさは確かめてありますが、作者名のある古典的なプロブレムではありません。
選択肢1:Lichess のパズル
Lichess は無料のオープンソースのチェスサーバーで、ボランティアと寄付で運営され、広告を出していません。パズルの量はとても多いです。公開データベースのページによると、問題は数億局の解析済みの対局から取り出し、Stockfish で検証し直したもので、600万問を超えます。1回解くごとに、自分とパズルの Glicko-2 のレーティング戦として扱われるので、パズルのレーティングが上下します。
メイトの練習で面白いのはテーマのページです。Mate in 1・2・3・4・5以上を選べますし、バックランクメイト、スマザードメイト、アナスタシアのメイト、ボーデンのメイトのような名前のついた形も選べます。時間制のモードもあり、Puzzle Storm は3分間でできるだけ多く解くものです。
無料で、レーティングつきで、実戦から取った問題を無制限に解きたいなら、正直なところこれに勝つのは難しいと思います。Chess365 との違いは主に形です。Lichess の問題は対局の局面から取られ、あらゆる種類の戦術を含み、接続が必要です。Chess365 はメイトだけ、オフライン、レーティングなしです。
選択肢2:Chess.com のパズル
Chess.com のサポートページによると、無料の Basic アカウントでは1日3問のレーティング対象パズルと、Puzzle Rush と Puzzle Battle を各1回ずつ遊べます。Premium の会員になるとこの制限がなくなります。パズルのレーティングは、解けば上がり、間違えれば下がります。Puzzle Rush は3分か5分でできるだけ多く解くもので、Puzzle Battle は他のプレイヤーとの競争です。
すでに Chess.com で対局しているなら、対局やレッスンの隣にパズルがあるのは自然です。メイトの練習だけが目的なら、無料プランの1日3問は少なく感じるかもしれず、全部を使うには会員登録が必要です。
選択肢3:ChessTempo
ChessTempo は、本格的に戦術を鍛えたい人が使っているトレーニングサイトです。アプリの説明には10万問を超える戦術問題とあります。有料プランは月額の会員制で、テーマ別に組んだ問題セットや、自分の対局から取った問題などは有料会員向けの機能です。
あらゆる戦術、レーティング、自分の弱点に合わせた問題セットという深さを求めるなら、良い選択です。メイトよりずっと広い範囲を扱っています。
選択肢4:ポルガーの問題集
ラースロー・ポルガーの “Chess: 5334 Problems, Combinations and Games” は、ブルース・パンドルフィーニの序文がついた、1104ページの有名な分厚い本です。出版社の説明では、1手メイトが306問、2手メイトが3412問、3手メイトが744問あり、そのほかに終盤や組み合わせ(コンビネーション)の問題も入っていて、解答は巻末にあります。
メイトの練習に限っても、一冊にこれだけの量があるのは驚くべきことです。電池も接続もいりません。違いは答えの確かめ方です。2手目が間違っていても、黒がどう受けたかを本は見せてくれません。分かるのは、自分の読みが載っている手順と違った、ということだけです。
比較表
| Chess365 | Lichess | Chess.com | ChessTempo | ポルガーの本 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 内容 | メイト問題のみ | 戦術全般。メイトのテーマあり | 戦術全般 | 戦術全般 | 主に1手から3手メイト |
| 手数 | 2・3・4・5手メイト | 1手から5手以上 | さまざま | さまざま | 1・2・3手メイト |
| 問題の出どころ | アプリのソルバーで生成・検証 | 実戦から取り Stockfish で検証 | ここでは扱わない | ここでは扱わない | 著者が選んだもの |
| パズルのレーティング | なし | あり | あり | あり | なし |
| オフライン | 可 | 不可 | 不可 | 不可 | 可 |
| 費用 | 無料・広告あり。1回の購入で広告を削除 | 無料・広告なし | 無料は1日3問。Premium で制限なし | 無料アカウントあり。有料プランで機能追加 | 本の価格 |
他の方法のほうが合う場合
レーティングと、大量の無料の問題がほしい。 Lichess が答えです。無料で広告もなく、ほとんど何にでもテーマがあります。
メイトだけでなく、あらゆる戦術を練習したい。 Chess365 の問題はすべてメイトで終わります。駒得や、悪い局面をしのぐ問題はありません。Lichess、Chess.com、ChessTempo のほうが広く扱っています。
1手メイト、または5手より長いメイトを解きたい。 Chess365 は2手メイトから始まり、5手メイトまでです。Lichess とポルガーの本は1手メイトからあり、Lichess には5手以上もあります。
古典的な作品としてのプロブレムを解きたい。 Chess365 の問題はソルバーが作ったものです。作品集やポルガーの本のほうが向いています。
人と対局したい。 Chess365 は誰かと指すアプリではありません。Lichess、Chess.com、近くのチェスクラブのほうが合います。
まだ駒の動かし方を知らない。 先に駒の動きを覚えてください。アプリで覚えるなら、チェス・将棋・囲碁の入門レッスンがある StudyX Mindsports があります。クラブで先生に教わるのは、さらに良い方法です。
Chess365 が合う場合
Chess365 が一番合うのは、メイトの問題だけを手数順に、接続があってもなくても解きたい方、そして黒に受けさせることで盤そのものに読みの誤りを教えてほしい方です。毎日一問と連続記録という習慣が好きで、レーティングに見張られたくない方にも合うと思います。将棋も指す方には、同じ考え方で作った詰将棋アプリ Shogi365 があります。
どの方法も、他を締め出すものではありません。机に向かえるときは Lichess のテーマ、本棚にポルガー、電車の中で Chess365 を何問か。全部並べても問題ありません。
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チェックメイト問題が初めての方は、初心者のための詰チェス入門からどうぞ。アプリについては、始め方ガイドで最初の一回を、毎日の使い方のヒントで日々の使い方を、どんな人のためのアプリ?で向いている方を書いています。Chess365 の記事は chess365 タグ にまとめてあり、アプリの紹介ページは Chess365 です。
