詰チェスの始め方:初心者が2手メイトのチェックメイト問題から上達するための解き方

詰チェス、つまりチェックメイト問題は、局面と手番と手数が与えられるパズルです。「白先2手メイト」なら、白が指し、黒が応じ、白の2手目でチェックメイトにします。黒がどんな受けをしても、です。チェスの練習法としてはとても古いもので、自分の対局でメイトを見逃さないようになるための、いまでも一番まっすぐな方法だと思います。
この記事では、これから始める方に伝えたいことをまとめました。手数の数え方、崩れにくい読みの順番、名前で覚えておく価値のある形、そして2手メイトから先へ進む目安です。
手数の数え方
チェスの「N手メイト」は、自分の手だけを数えます。2手メイトは、自分の手、黒の応手、自分のメイト。3手メイトは、自分の手が3つで、その間に黒の応手が2つ入ります。将棋はお互いの手を数えるので、詰将棋の3手詰はチェスの2手メイトと同じ長さです。両方を解く方は覚えておくと混乱しません。
もうひとつ、詰チェスを難しくしているルールがあります。黒は最善の受けをします。予想した一手だけでなく、どの合法手に対してもメイトになる手順でなければ正解ではありません。黒にひとつでも持ちこたえる受けがあれば、その手は不正解です。
チェック、駒取り、脅し
戦術問題の定番の助言は、強制力の強い手から見ることです。順番はチェック、駒取り、脅しです。チェックが最初なのは、黒の応手が一番少なくなるからで、応手が少なければ読む量も減ります。2手メイトなら、まずチェックを全部挙げてから他のことを考えるのがよいと思います。
ただし詰チェス、とくに作品として作られた問題では、初手がチェックでないことがよくあります。メイトを狙う静かな一手で、黒に良い応手が残らない、という形です。その時点では黒の玉はまだ危なく見えないこともあります。要点は、黒が次に何を指しても何かが崩れることです。パスできれば黒は無事なのに、指さなければならないせいで崩れる。これをツークツワンクと言います。チェックが全部だめでも、あきらめる必要はありません。メイトを狙う静かな手を探し始める合図です。
黒のキングの逃げ道を数える
手を選ぶ前に、黒のキングを見ます。周りのどのマスが空いているか。どれを自分の駒が押さえているか。どれを黒自身の駒がふさいでいるか。
この習慣が仕事の大半をしてくれます。逃げ道がひとつもなければ、黒が対処できない安全なチェックを探すだけです。ひとつ空いていれば、そのマスをどう消すか、あるいはメイトの手でどう押さえるかが問題になります。2手メイトの多くはこの形で、初手が最後の逃げ道を押さえ、2手目でチェックをかけます。
黒の守りの駒が何を守っているかも見ます。最下段を守っているルークや、こちらのクイーンが入りたいマスを押さえているナイトが、実はその問題の主役であることがよくあります。初手は、その守り駒を引きはがすための捨て駒かもしれません。
名前で覚えておきたい形
長い一覧を暗記する必要はありません。いくつかの形で、たくさんの問題がカバーできます。
バックランクメイト。 黒のキングが、まだ動かしていない自分のポーンの後ろ、最下段にいます。ルークかクイーンが最下段に入ってチェックすると、キングは行き場がありません。問題では、その段を守っている駒をどけるか、そらすところに工夫があります。
スマザードメイト。 キングが自分の駒に囲まれていて、ナイトがチェックします。ナイトのチェックは間に駒を入れて防げないので、メイトになります。古典的な形では、隅にいるキングの隣でクイーンを捨て、ルークに取らせて最後の空きマスを埋めさせ、ナイトでメイトにします。
交差する2つのビショップ。 ボーデンのメイトと呼ばれます。2つのビショップが2方向からキングのマスを押さえます。クイーンサイドにキャスリングしたキングに出てくることが多い形です。
隅のルークとナイト。 アラビアンメイトと呼ばれます。ナイトがルークを守りながらキングの逃げ道を押さえ、ルークが盤の端でチェックします。
ひもつきのクイーンをキングの隣へ。 いちばん単純な形です。クイーンがキングの隣のマスからチェックし、別の駒がクイーンを守っているので、キングは取れません。
キングが盤の端にいて逃げ道が少ないときは、この短い一覧を頭の中で順に当てはめてみます。どれかが合うことが思ったより多いです。
2手メイトの読み方
- キングを見ます。 空いているマスと、それを何が押さえているかを挙げます。
- チェックを全部挙げます。 捨て駒のような、ばかばかしく見える手も含めて。
- それぞれのチェックに対する応手を全部挙げます。 キングが逃げる手、チェックしている駒を取る手、間に駒を入れる手。ひとつでも逃れる応手があれば、そのチェックは不正解です。
- チェックが全部だめなら、静かな手を見ます。 黒が止められないメイトを狙う手はどれか。そのあと黒の応手を、変な手も含めて確かめます。
- ステイルメイトに気をつけます。 最後の逃げ道を消す静かな手は、黒に合法手がなく、チェックもかかっていない状態を作ることがあります。それは引き分けで、勝ちではありません。
遅く感じると思います。数十問も解けば、1と2はほとんど自然にできるようになります。
次の手数へ進む目安
2手メイトでキームーブを見つけるのが、探すというより見て分かる感じになってきたら、3手メイトに進む頃合いです。1手増えるだけに聞こえますが、確かめる応手の数は一気に増えるので、また遅くなって当然です。4手、5手メイトも同じことのくり返しです。しばらく元の手数に戻るのも普通のことだと私は考えています。
駒に触る前に、手順を全部決めることをおすすめします。スマートフォンだと、とりあえず指して様子を見たくなります。それも手応えにはなりますが、指す前に自分の読みがあってこそです。
毎日一問
Chess365 は、こういう練習のために私が作ったアプリです。2手・3手・4手・5手メイトを各1000問収録していて、いつも白番です。すべてアプリ自前のソルバーで生成・検証し、キームーブが唯一で、白の駒にはどれも役目があります。ルール上指せる手ならどれでも指せて、黒が自動で受けるので、間違った読みは盤上で破綻します。ステイルメイトは当然失敗です。今日の一問、連続記録、駒とマスだけを示すヒントがあり、オフラインでアカウントなしで使えます。駒の動かし方から覚えたい方には StudyX Mindsports の入門レッスンがあります。
他の練習方法との比較は Chess365 と他の詰チェスの練習方法の比較 に書きました。アプリについては、始め方ガイド、毎日の使い方のヒント、どんな人のためのアプリ? をどうぞ。記事はすべて chess365 タグ にあります。
