かきカタと他の練習方法の比較:ひらがなドリル、書き順表、ほかのアプリ

ひらがなの清音は46字、カタカナも46字あります。濁音・半濁音・拗音まで含めると、日本語を書けるようになるまでに覚える字形は100を超え、そのすべてに決まった書き順があります。練習の方法を選ぼうとしているのは、たいてい二通りの方です。入学を控えたこどもの準備をしている保護者の方か、仮名は読めても書き方を習ったことのない大人の学習者です。
練習の方法はいくつもあり、アプリはそのひとつにすぎません。この記事では、かきカタ(StudyX Japanese Letters Tracer)とほかの現実的な選択肢を比べ、ほかの方法のほうが向いている場合も正直に書きます。
かきカタでできること
公平に比べるために、アプリにできることをそのまま並べておきます。
- ひらがな・カタカナ全文字の書き順を、一画ずつアニメーションで表示します。濁音・半濁音・拗音も含みます。
- 指、スタイラスペン、Logitech Crayon でなぞれます。
- なぞっている文字の読みを、タップして音声で聞けます。
- マス目は大・中・小の3種類で、十字の補助線は ON/OFF できます。
- 広告はなく、サブスクリプションではなく買い切りです。
- iPhone と iPad で使えます。
語彙や文法、漢字は扱いません。正しい書き順を見せ、なぞらせ、音を聞かせる。そこまでのアプリです。
選択肢1:市販のひらがなドリル
紙のドリルは昔からの定番で、それには理由があります。本物の鉛筆を持ち、紙の手ざわりを感じ、ページが埋まっていくのが目に見えます。鉛筆の持ち方や筆圧、学校の先生が大切にする「とめ」「はね」は、紙の上でこそ身につくもので、ガラスの画面では完全には再現できません。値段も手ごろで、電池もいらず、書店ならどこでも手に入ります。
違いがあるとすれば、ドリルは線が動くところを見せられない点です。書き順は小さな番号つきの図で示されますが、幼いこどもがその図をひとりで読み取るのは難しく、はじめのうちは大人がそばにつく必要があります。音もありません。また、書き込んだページは使い切りなので、続けるには買い足すか印刷することになります。
選択肢2:無料の書き順表やプリント
インターネットには無料の書き順資料がたくさんあります。このサイトにもひらがなの書き順とカタカナの書き順のページがあり、全文字を一画ずつの番号つきの図で載せています。練習用のプリントも簡単に見つかります。
確認のためには、これで十分です。「さ」の最初の一画が縦か横か迷ったら、表を見れば2秒で分かり、費用もかかりません。ただ、表はあくまで資料で、練習そのものではありません。書いているところを見てくれるわけではなく、小さなこどもが10分間向き合える道具でもありません。
選択肢3:おうちの方や先生と一緒に
正しい書き順を知っている人が隣に座ってくれること。これにまさる先生はいないと私は思います。鉛筆の持ち方の癖に気づき、こどもが疲れてきたのを察し、うまく書けた一字をほめることができます。どれもアプリにはできないことです。
難しいのは、それが人に依存するという点です。とくに海外で暮らすご家庭では、保護者の方が日本語を書くことに自信がない場合もありますし、毎日時間が取れるとも限りません。書き順のアニメーションがあるアプリは、「正しい順番を見せる」という部分を引き受けられます。そのぶん、大人の時間は調べものではなく、励ますことに使えます。
選択肢4:ほかのアプリ
仮名のなぞり書きアプリは、内容がさまざまです。ごほうびやレベルのあるゲーム型もあれば、日本語講座の一部になっているものもあり、広告が出るものやサブスクリプション制のものもあります。私はすべてを試したわけではないので、順位はつけません。比べるときは、濁音や拗音まで入っているか、書き順が動いて見えるか、音声があるか、広告があるか、サブスクリプションか買い切りか、といった点を確かめるとよいと思います。
私たちのアプリのなかにも、かきカタと重なるものが二つあります。あいうえおのアプリは、音の出る五十音表になぞり書きのエリアとききとりクイズがついたアプリで、書き順を練習するというより文字と出会うためのものです。スマもじは漢字を含む1万文字以上を収録し、なぞった字をリアルタイムで採点しますが、iPad と Apple Pencil 向けのアプリです。仮名の書き順だけが目的なら、三つのうちでいちばん絞り込まれているのはかきカタです。
比較表
| かきカタ | 市販のドリル | 無料の書き順表・プリント | おうちの方・先生 | ほかのアプリ | |
|---|---|---|---|---|---|
| 書き順が動いて見える | はい | いいえ | いいえ | 実演で見せられる | アプリによる |
| 一字ずつの音声 | はい | いいえ | いいえ | はい | アプリによる |
| 紙に鉛筆で書く | いいえ | はい | 印刷すれば、はい | はい | いいえ |
| 濁音・拗音まで収録 | はい | 商品による | 資料による | はい | アプリによる |
| 広告 | なし | なし | サイトによる | なし | アプリによる |
| 費用 | 買い切り | 本の代金 | 無料 | 時間 | アプリによる |
ほかの方法が向いている場合
- 鉛筆の運びを身につけたいなら、紙がいちばんです。指で画面をなぞっても、持ち方や筆圧は鍛えられません。私は、アプリで順番を覚え、同じ字を紙に書くという組み合わせがいちばんよいと考えています。
- 一画か二画を確かめたいだけなら、無料の書き順表で十分です。そのためにアプリを買う必要はありません。
- 書いた字を評価してほしいなら、先生に見てもらうのがいちばんです。私たちのアプリで採点機能があるのはスマもじで、iPad と Apple Pencil でなぞった字をお手本とリアルタイムで比べます。
- 日本語の講座全体がほしいなら、かきカタはそれにあたりません。仮名の書き順という一段だけを扱い、そこで終わります。
- まだ書く段階にないこどもなら、あいうえおのアプリのような音の出る五十音表のほうが、最初の一歩としてはやさしいかもしれません。
かきカタが役に立つ場面
かきカタが役に立つのは、正しい書き順を毎回きちんと見せてほしいとき、音も一緒に聞かせたいとき、広告を気にしたくないとき、そして大人が毎回お手本を書かなくてもよいようにしたいときです。紙のドリルの代わりというより、ドリルと並べて使うのに向いていると思います。
使い方はかきカタの始め方で、毎日の練習のアイデアはかきカタ活用のヒントで、どんな方に向いているかはかきカタはどんな人のためのアプリ?でご紹介しています。アプリの詳細はかきカタのページをご覧ください。
