こどもの課金を防ぐiPadの設定:承認と購入のリクエストの使い方

こどもに iPad を渡すとき、心配になることのひとつが課金です。無料のゲームでも、中でアイテムやコインを売っているものはたくさんあります。こどもは値段の意味をよく分からないまま、購入のボタンを押してしまうことがあります。
Apple には、こうした購入を保護者が止めたり、承認制にしたりする仕組みがあります。この記事では、Apple のサポートページの手順に沿って、その設定をまとめます。項目の名前はページによって少し表記が違うことがあり、iPadOS のバージョンや地域、こどもの年齢によっても画面が変わります。お手元の画面と見比べながら読んでください。
方法は二つあります
こどもの購入を管理する方法は、大きく分けて二つです。
承認と購入のリクエスト。 ファミリー共有の機能です。こどもがアプリを買ったり、ダウンロードしたり、App内課金をしたりしようとすると、保護者にリクエストが届きます。保護者が承認したときだけ、購入やダウンロードが行われます。
スクリーンタイムでApp内課金を止める。 App内課金そのものを「許可しない」にする設定です。リクエストも届かず、課金ができなくなります。
こどもが自分の Apple Account を持っているなら、まず一つ目を使い、必要に応じて二つ目を足す形がよいと私は考えています。
1. 承認と購入のリクエスト
Apple のページ「「承認と購入のリクエスト」でお子様の購入やダウンロードを承認する」によると、使う前に次の準備が必要です。
- ファミリー共有を設定し、こども用のアカウントを作って、ファミリー共有グループに入れる
- こどもが自分の Apple Account を持ち、ほかの家族とアカウントを共有しない
- グループのすべての端末を最新のソフトウェアにアップデートする
- こどもの連絡先に、ファミリー共有の管理者か保護者を入れておく
設定は、保護者が自分の iPhone か iPad で行います。
- 設定アプリを開き、「ファミリー」をタップします。
- こどもの名前をタップします。
- 「アプリとウェブサイト」をタップし、「制限」をタップします(別のページ「ペアレンタルコントロールを設定してお子様のiPhoneやiPadを管理する」では「機能制限」と書かれています)。
- 「承認と購入のリクエスト」をタップし、「購入の承認を必要にする」をオンにします。
Apple のページは、この機能を使うと、アプリの対象年齢とは関係なく、こどもがアプリをダウンロードしたり購入したり、App内課金をしたりするときに承認が必要になると書いています。地域によっては、18歳未満のこどもでは最初から有効になっていて、オフにできない場合もあります。
リクエストは、保護者のメッセージアプリに届きます。中身を見て、承認か却下を選びます。承認すると、保護者の Apple Account で購入の手続きをするか、Face ID で認証します。却下したときや、24時間以内に承認しなかったときは、こどもがもう一度リクエストを送る必要があります。
知っておきたいのは、リクエストが届かない場合もあることです。こどもが自分で買ったものをもう一度ダウンロードするとき、アップデートを入れるとき、引き換えコードを使うときは、承認のリクエストは届きません。
2. スクリーンタイムでApp内課金を止める
Apple のページ「iPhoneまたはiPadのスクリーンタイムでAppleのApp内課金を無効にする」の手順は次のとおりです。先にスクリーンタイムを有効にしておく必要があります。
- 設定アプリを開き、「スクリーンタイム」をタップします。
- 「アプリとウェブサイト」をタップし、次に「App Store」をタップします(日本語のページでは、ここが英語のまま「Apps & Websites」と書かれています)。
- 「App内課金」をタップし、「許可しない」を選択します。
こどもの端末を保護者の端末から管理しているなら、「ファミリー」からこどもの名前を選び、「アプリとウェブサイト」の「App Store」を開くと、「アプリのインストール」などを「許可」か「許可しない」に設定できます(上で挙げた105121のページ)。
iPadOS 27 でスクリーンタイムの画面が新しくなる前は、「スクリーンタイム」の「コンテンツとプライバシーの制限」から「iTunesおよびApp Storeでの購入」を開き、「App内課金」を「許可しない」にする手順でした。家族の端末をすべてアップデートできず、これまでのスクリーンタイムを使い続けている場合は、こちらの画面になっていると思います。
どちらの方法でも、設定を守っているのはスクリーンタイムのパスコードです。iPad のロック解除の番号とは別にし、こどもの前で入力しないようにしてください。
保護者の iPad を貸すとき
こどもに自分のアカウントを作らず、保護者の iPad をそのまま貸すこともあると思います。この場合、承認と購入のリクエストは使えません。Apple のページでは、こうした場合は購入のたびにパスワードを要求するよう設定できると案内しています(購入時のパスワードの設定)。上の手順でApp内課金を「許可しない」にしておくのも有効です。
保護者の端末には、保護者の支払い方法が登録されています。私は、貸す前にどのアプリを開いているかを一度見てから渡すのがよいと思っています。
間違って買ってしまったとき
それでも購入が起きてしまったら、Apple に返金を申請できます。手順は「Appleから購入したアプリやコンテンツの返金手続きをする」にあります。
- reportaproblem.apple.com にサインインします。
- 「項目を選択してください」から「返金をリクエストする」を選びます。
- 返金を希望する理由を選び、「次へ」を選びます。
- 該当するアイテムを選び、「送信」を選びます。
結果が分かるまで24〜48時間かかります。ファミリー共有の管理者なら、家族の購入も、共有している支払い方法で請求されたものであれば、ここから申請できます。返金されるかどうかは国や地域によって異なり、必ず返金されるわけではありません。
また、国や地域によっては、アプリの中の購入が Apple を通さずに行われることがあります。その場合は Apple の購入の設定や返金の手続きの対象にならないことがあります。困ったときは、消費者ホットライン「188」で、お住まいの地域の消費生活センターに相談することもできます。
こどもとの話し合い
設定は大事ですが、設定だけですべてが解決するわけではないと思います。アプリの中のコインが本当のお金であること、ボタンを押す前に聞きに来てほしいこと。こうしたことは、言葉で伝えるほうが早いはずです。
承認と購入のリクエストは、その話し合いのきっかけにもなります。こどもがリクエストを送ってきたときに、何がほしいのか、なぜほしいのかを聞いてみる。却下するなら、理由を短く伝える。私はそれで十分だと思っています。
キンダーブラウザの開発者インタビューで、こどもがアプリの中から「このサイトを見たい」と保護者に頼む機能を入れない理由を聞かれて、私はこう答えました。
コミュニケーションで解決する問題は、親子で直接話せばいいと思います。何でもかんでもアプリでやる、という考えではありません。
課金のことも同じだと考えています。
キンダーブラウザのこと
キンダーブラウザは、私が作っている iPhone・iPad・Mac 向けのこども用ウェブブラウザです。日本では1,500円、米国では9.99ドルの買い切りで、アプリ内課金、サブスクリプション、広告はありません。買ったあとにアプリの中で追加のお金がかかることはありません。
キンダーブラウザでは、保護者がホームページとブックマークに登録したサイトをこどもが開きます。ページの中のリンクから別のサイトへ移ろうとすると、「外部リンクは無効です」と表示されて止まります。設定画面はペアレンタルゲートの内側にあり、ペアレンタルパスコードの初期値は「0000」なので、「カスタムPINを使用する」をオンにして自分の番号に変えてください。
ただ、キンダーブラウザはアプリの購入を管理するものではありません。App Store やほかのアプリでの課金は、この記事で書いた Apple の設定で防いでください。スクリーンタイム全体の設定はiPadのスクリーンタイムをこども向けに設定する方法にまとめています。
最初の設定はキンダーブラウザの始め方で、スクリーンタイムなどほかの方法との比較はキンダーブラウザと他の方法の比較でご紹介しています。
