詰将棋の始め方:初心者が3手詰から上達するためのルールと解き方のコツ

詰将棋は、将棋の詰みを題材にしたパズルです。局面と持ち駒と手数が与えられ、その手数ちょうどで玉を詰ませます。将棋を指す人は何百年も前からこれで終盤を鍛えてきましたし、強くなりたい初心者に最初に勧められるのも、いまだに詰将棋だと思います。
Shogi365 を作るとき、私は詰将棋のルールをすべてコードに書き起こす必要がありました。答えのページを開くのではなく、盤上で実際に指して解けるアプリにしたかったからです。ルールをプログラムに書くと、そのルールが正確に何を言っているのかがよく分かります。この記事では、これから始める方に伝えたいことをまとめました。見落としやすいルール、3手詰の読み方、そして練習の仕方です。
ルールと、見落としやすいところ
基本は一文で言えますが、細かいところで答えが正しいかどうかが決まります。
攻め方の手はすべて王手です。 解く人は攻め方で、指す手はすべて王手でなければなりません。次に詰ませるための静かな一手は、実戦ならどれほど良い手でも、詰将棋では指せません。
手数ちょうどで詰ませます。 3手詰は、全部で3手という意味です。攻め方の王手、玉方の応手、攻め方の詰み。将棋はお互いの1手ずつを数えるので、チェスでいう「2手メイト」にあたります。攻め方が最初と最後に指すので、手数はいつも奇数になります。
玉方は最善の応手をします。 玉方は、玉を逃げる、王手している駒を取る、間に駒を打って防ぐ(合駒)など、どんな合法手でも指せます。そのなかで、いちばん長く逃れる手を選びます。どの応手に対しても詰む手順でなければ、正解にはなりません。
玉方は残りの駒をすべて持っています。 初心者がいちばん驚くのがこのルールだと思います。盤上にもなく、攻め方の持ち駒でもない駒は、すべて玉方のもので、合駒として打つことができます。これを「残り駒全部」と言います。飛車や角の遠くからの王手は、たいてい合駒で防がれると考えておく必要があります。
打ち歩詰めは反則です。 持ち駒の歩を打って詰ませることはできません。盤上の歩を突いて詰ませるのは構いません。この反則をわざと使った問題もあり、いちばん自然な歩打ちが、ちょうど指せない手になっていることがあります。
二歩も反則です。 成っていない自分の歩がある筋に、歩を打つことはできません。これは玉方の合駒にも当てはまります。
行き所のない駒は成ります。 最奥の段の歩と香、奥から2段の桂は、成らなければなりません。
無駄合いは数えません。 玉方が合駒をしても、それをただ取って同じように詰むなら、その合駒は「無駄合い」と呼ばれ、手数に数えません。Shogi365 ではさらに一歩進めて、無駄合いを含む手順の問題は生成の段階で除外しています。画面に表示された手数が、実際に指す手数です。
もうひとつ、知っておくと役に立つ約束事があります。よくできた問題では、どの駒にも役目があり、持ち駒は最後にはすべて使い切るのが普通です。Shogi365 の問題も、攻め方の盤上の駒と持ち駒、玉方の駒のどれもが必要であることを確かめてあります。自分の答えで持ち駒が余ったら、何かを見落としていないか疑ってみる価値があります。
3手詰から始める理由
3手詰は、手順をまるごと頭の中に置いておける長さです。王手をひとつ、玉方の応手がひとつ、そして詰み。可能性を本当に全部並べることができ、これがこの先のすべての土台になります。
それに、詰みの基本の形がくり返し出てくるのも3手詰です。いちばん単純なのが「頭金」です。玉方の玉が5一にいて周りに何もなく、こちらの歩が5三にあるとき、5二に金を打てば詰みです。金が玉の行ける場所をすべて押さえ、歩が金にひもをつけているので、玉は金を取れません。3手詰の多くは、うまい王手をひとつ指して、玉をこういう形に追い込む問題です。
3手詰の読み方
私がおすすめしたい順番です。最初は遅く感じますが、数十問も解けば速くなります。
- まず玉を見ます。 玉はいまどこへ動けるか。そのうちどこを、こちらの駒がすでに押さえているか。空いている逃げ道が、王手で消すべき場所です。
- 王手をすべて挙げます。 盤上の駒を動かす王手と、持ち駒を打つ王手。3手詰ならたいてい多くはありません。頭の中で一覧にすると、最初に目についた手にこだわらずに済みます。
- それぞれの王手に対する応手をすべて挙げます。 玉が逃げる手、取る手、そして玉方の持つどの駒でもできる合駒。初心者がいちばん間違えるのはここで、玉方が駒を打てることを忘れてしまいます。
- それぞれの応手に対して、詰みを探します。 ひとつでも逃れる応手があれば、その王手は不正解です。次の候補に移ります。
- 変な手にも公平に機会を与えます。 作る人は、一見ありえない初手を好みます。玉に取らせる捨て駒や、玉を遠ざけるように見える王手です。自然な王手が全部だめなら、答えはたぶんこの中にあります。
昔からの格言も役に立ちます。「玉は下段に落とせ」は、玉を逃げ場の少ない端へ追いやれ、ということ。「玉は包むように寄せよ」は、追いかけるのではなく包みこむように迫れ、ということです。玉を上へ上へと追いかけてしまうと、詰みはたいてい逃げに変わります。
練習の仕方
触る前に、最後まで読みます。 本では駒を動かして確かめることができません。それが本で上達する理由のひとつでもあります。スマートフォンだと、とりあえず王手を指して様子を見たくなります。私のおすすめは、玉方の応手まで含めて手順を全部決めてから、確かめるために指すことです。Shogi365 では、王手なら正解でも不正解でも指せて、玉方が自動で応じるので、間違った読みは盤上で破綻します。これは良い手応えになりますが、指す前に自分の読みがあってこそです。
答えの前に、小さなヒントを。 行き詰まったときは、最初に動かす駒が分かるだけで、たいてい読みを再開できます。Shogi365 のヒントは、動かす駒と行き先のマスを光らせるだけで、指すのはあくまで自分です。
やさしい問題を、たくさん。 3手詰の価値の大半は、数をこなすことにあると思います。詰みの形の引き出しを増やしていくことで、引き出しは同じ形を何度も見ることで増えていきます。たまの長い時間より、毎日数問のほうが効きます。
「探す」から「見える」に変わったら、次へ。 3手詰が、探すというより見て分かる感じになってきたら、5手詰に進む頃合いです。2手増えるだけに聞こえますが、確かめる手順の数は一気に増えるので、また遅くなって当然です。7手詰も同じです。しばらく元の手数に戻るのも上達の一部で、失敗ではありません。
毎日一問
Shogi365 は、こういう練習のために私が作ったアプリです。3手詰・5手詰・7手詰・9手詰を各1000問収録していて、すべてアプリ自前のソルバーで生成し、検証しています。初手が唯一で、攻め方の手順も各手で唯一、無駄な駒もありません。上に書いたルールは打ち歩詰めや二歩も含めて盤が守るので、指しながら覚えられます。手数以内に詰まなければ失敗で、3回までやり直せます。世界中で同じ問題が出る「今日の一問」、連続記録、難易度ごとの統計もあります。オフラインで使え、アカウントもランキングもありません。広告つきの無料アプリで、買い切りの課金で広告を消せます。
これから始める方には、必要だと思うより長く3手詰にとどまることをおすすめします。読みの習慣は、そこで身につくと私は考えています。
