KET(A2 Key)の対策:試験の形式と勉強の順番

A2 Key(KET)は、ケンブリッジ英検のいちばん下の大人向けの試験で、CEFR の A2 を狙って作られています。試験は「Reading and Writing」「Listening」「Speaking」の3つのペーパーからなり、全体でおよそ2時間です。紙の試験とコンピューターの試験があり、形式は同じです(A2 Key の公式ページ)。
ケンブリッジ英検そのものや英検との違いはケンブリッジ英検とはに、どの試験を受けるかはケンブリッジ英検はどのレベルを受けるべきかに書きました。この記事では、KET を受けると決めた人と、その保護者の方のために、試験の中身と勉強の順番を書きます。数字はすべて2026年10月に公式サイトと教師用ハンドブックで確認したものです。
先に知っておきたい二つのこと
一つめは、A2 Key の紙の試験がなくなることです。公式サイトには、A2 Key の紙の試験は2026年12月の回を最後に廃止され、その後はコンピューターの試験だけになると書かれています。学齢期向けの A2 Key for Schools は、紙とコンピューターの両方が続きます。2027年以降に大人向けの A2 Key を受けるなら、画面で読み、画面に入力する試験になります。
二つめは、2020年に形式が変わったことです。改訂版の A2 Key と A2 Key for Schools は2020年1月に始まりました(公式のお知らせ)。公式の改訂の概要によると、Reading and Writing は9パート56問から7パート32問になり、絵を見て短い物語を書く問題が新しく入りました。Speaking の後半は、受験者どうしで話し合う形になりました。結果の表し方も、Pass with Distinction、Pass with Merit、Pass から、グレード A、B、C に変わりました。古い問題集や中古の過去問は、この改訂より前の形式のことがあるので、発行年を確かめてから使うのがよいと思います。
A2 Key と A2 Key for Schools の違い
公式サイトの説明では、二つは同じ CEFR のレベルで、形式も同じです。違いは話題で、for Schools は学齢期の受験者の関心や経験に合わせ、A2 Key は大人向けに作られています。こどもが受けるなら for Schools、大人が受けるなら A2 Key、と考えればよいと思います。小学生くらいまでのこどもには、別に Pre A1 Starters、A1 Movers、A2 Flyers という試験もあります。
試験の形式
公式の試験形式のページの内容を表にまとめます。
| ペーパー | 時間 | 構成 | 配点 |
|---|---|---|---|
| Reading and Writing | 1時間 | 7パート、32問 | 50% |
| Listening | 約30分(紙の試験では解答の転記に6分を含む) | 5パート、25問 | 25% |
| Speaking | ペアで8〜10分、3人のグループで13〜15分 | 2パート | 25% |
Reading and Writing
Part 1 から 5 が読む問題、Part 6 と 7 が書く問題です。
- Part 1: 短い実用文6つを読み、伝えたいことを選ぶ(3択、6問)
- Part 2: 同じ話題の短い文章3つを読み、質問7つをどの文章に当てはまるか選ぶ(7問)
- Part 3: 長めの文章1つを読み、細かい内容と要点を答える(3択、5問)
- Part 4: 事実を説明する文章の空所に合う語を選ぶ(3択、6問)
- Part 5: メールなどの空所に1語ずつ書き入れる(6問)
- Part 6: 25語以上の短いメールかメモを書く(15点満点)
- Part 7: 3枚の絵を見て、35語以上の短い物語を書く(15点満点)
Listening
すべての音声は2回流れます。
- Part 1: 短い会話5つを聞き、3枚の中から正しい絵を選ぶ(5問)
- Part 2: 一人の話を聞き、メモの空所を埋める(5問)
- Part 3: 会話を聞き、3択の質問5つに答える(5問)
- Part 4: 短い話や会話5つを聞き、要点や話題を選ぶ(3択、5問)
- Part 5: 会話を聞き、5つの項目を組み合わせる(5問)
Speaking
ほかの受験者1人か2人と一緒に受け、試験官は2人です。1人が話しかけ、もう1人は聞く役で、2人とも採点します。話しかける試験官がオンラインで参加することもあります。
- Part 1: 自分のことや日常について質問に答える(3〜4分)
- Part 2: 好きなことや嫌いなことを、理由をつけて話し合う(5〜6分)
一緒に受ける相手のでき次第で点が変わるのでは、と心配する方もいると思います。教師用ハンドブックには、受験者は一人ずつ、ほかの受験者とは関係なく評価されると書かれています。
結果の出方
結果は Cambridge English Scale のスコアで出ます。120〜132がグレード C、133〜139がグレード B、140〜150がグレード A で、ここまでが A2 の証明書です。グレード A は B1 のレベルとして認定されます。100〜119は A1 の認定です。80〜99はスコアだけが成績表に載り、証明書は出ません(結果の説明)。上下のレベルが認定される仕組みはどのレベルを受けるべきかにも書きました。
勉強の順番
ここからは私の考えです。ハンドブックの数字を見て、次の順番を勧めたいと思います。
1. 公式のサンプル問題を一度通して解く
最初に、準備のページにある無料のサンプル問題を、時間を計って一度解きます。点数は気にしなくてかまいません。どのパートで時間が足りないか、どのパートで手が止まるかを知るためです。勉強の計画は、これを見てから立てるほうが無駄がないと思います。
2. 書く問題を早めに始める
ハンドブックによると、Reading and Writing は60点満点で、そのうち30点が Part 6 と 7 の書く問題です。問題は2つしかありませんが、このペーパーの点数の半分を占めます。採点は内容、構成、言葉の使い方の三つの観点で行われます。
書く力は、読む力や聞く力より伸びるのに時間がかかると私は考えています。ですから、最初の週から短いメールと絵の物語を書き始めるのがよいと思います。ハンドブックは、決められた語数をおおよその目安にして書くことを勧めています。短すぎると、求められている内容を書き落としやすくなるからです。
3. 語彙はリストで範囲を知る
同じページには、A2 Key の語彙リストもあります。ハンドブックには、このリストが毎年更新されると書かれています。全部を覚えるためというより、どの範囲の語が出るのかを知るために、一度目を通しておくとよいと思います。
4. 時間の配分を決めて練習する
ハンドブックは、Reading and Writing の1時間のうち、読む問題に約40分、書く問題に約20分を使うよう勧めています。紙の試験では、Reading and Writing の解答用紙に書き写す時間は別にとられず、1時間の中で済ませる必要があります。Listening のほうは、紙の試験には転記の時間が6分あり、コンピューターの試験には見直しの時間が2分あります。
5. 話す練習は相手と
Speaking は試験官とのやりとりだけでなく、Part 2 で相手と話し合います。家族や友だちに相手になってもらい、好きなことを一つ挙げて理由を言い、相手の答えに一言返す、という練習を繰り返すのがよいと思います。
落としやすいところ
ハンドブックを読んで、私が特に気をつけたいと思ったのは綴りです。Reading and Writing の Part 5 は、綴りが正しくなければ正解になりません。Listening の Part 2 も、音声の中で綴りを言った語は正しく綴る必要があり、よく使う語も正しい綴りが求められます。意味が分かっていても、綴りで点を落とすことがあるということです。
もう一つは、書く問題の時間です。読む問題に時間を使いすぎて、最後に書く問題が残ってしまうと、30点分を急いで書くことになります。サンプル問題を解くときから、書く問題に20分を残す練習をしておくと安心だと思います。
AlphaGeorge で KET に備える
私が作っている iPhone・iPad 用の AlphaGeorge は、ケンブリッジ英検の準備のためのアプリです。コースは A1 から C2 の6レベル、合計66ユニットで、A2 の Elementary(初級)の12ユニットが A2 Key(KET)に対応しています。最初の約5分の診断テストで、どのレベルから始めるかが決まります。
各ユニットには「文法とリーディング」「語彙」「日常英会話」「ライティング」「スピーキング」のレッスンと、復習、理解度チェックがあります。リスニングの問題は、本番と同じように音声を2回聞いてから先に進む作りにしています。
問題はすべてこのアプリのために作ったもので、Cambridge University Press & Assessment の出版物ではありません。本番の形式には、上で書いた公式のサンプル問題で慣れてください。無料で始められ、広告とハートの制限があります。AlphaGeorge Premium(2026年10月時点の日本の App Store で月額1,200円、年額6,000円)に入ると、広告がなくなり、ハートが無制限になり、終えたレッスンをやり直せます。最初の一回の流れは「AlphaGeorge の始め方」に書きました。
