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大人の美文字練習:1日10分でどこが変わるか

OBARA HirokiOBARA Hiroki · DeveloperStudyX Smartpaper Letters使い方
大人の美文字練習:1日10分でどこが変わるか

字をきれいに書くための要点は、じつは小学校で一度習っています。小学校学習指導要領の書写には、1・2年生で「姿勢や筆記具の持ち方を正しくして書くこと」「点画相互の接し方や交わり方,長短や方向などに注意して,文字を正しく書くこと」、3・4年生で「文字の組立て方を理解し,形を整えて書くこと」「漢字や仮名の大きさ,配列に注意して書くこと」、5・6年生で「書く速さを意識して書くこと」が並んでいます(小学校学習指導要領(平成29年告示))。

大人になって字に自信がなくなるのは、これを忘れたというより、速く書くことを長く続けるうちに、ひとつずつ崩れていったからだと思います。ですから、大人の美文字練習は、新しい技術を身につけるというより、知っていたはずの要点を取り戻す作業に近いと私は考えています。

1日10分で何もかもが変わるわけではありません。ただ、10分でも意識して書けば、すぐに変わる部分はあります。この記事では、その部分から順に整理します。

最初に変わるのは、線の向きと長さ

いちばん早く変わるのは、一本一本の線です。横の線はそろっているか、縦の線はまっすぐ下りているか、長い線と短い線の差がはっきりしているか。

字が崩れて見える原因の多くは、形そのものより、線の向きと長さがばらばらなことにあると思います。たとえば「三」「言」「書」のように横の線が何本も並ぶ字は、横線の間隔がそろい、いちばん長い線がはっきり長いだけで、ずいぶん整って見えます。横の線はわずかに右上がりに書くと引き締まって見える、とよく言われます。

線は、ゆっくり書けば誰でもそろえられます。10分の練習の最初の効果は、たいていここに出ます。

次に変わるのは、字の大きさ

二つ目は大きさです。文章が読みにくく見えるとき、一字一字の形より、字の大きさがそろっていないことが原因になっていることがよくあります。

学習指導要領が「漢字や仮名の大きさ」に注意するよう書いているとおり、漢字と仮名の大きさの釣り合いは大事です。一般に、仮名は漢字よりやや小さめに書くと、文全体が落ち着いて見えると言われます。画数の多い漢字と、画数の少ないひらがなを同じ大きさで書こうとすると、ひらがなが大きく見えてしまうからです。

三つ目は、字の中心

三つ目は、字の中心です。一字の中で、縦の中心線がどこを通っているか。横書きなら、行の中で字の高さがそろっているか。縦書きなら、字の中心が一本の線の上に並んでいるか。

これは一字だけ練習しても身につきにくく、名前や住所のように、何字か続けて書いたときに差が出ます。

形の細かいところは、そのあとで

とめ・はね・はらいのような細部は、最後で十分だと私は考えています。文化審議会国語分科会の「常用漢字表の字体・字形に関する指針」は、手書きの字の形は多様であり、字としての骨組みが認められるなら細部の違いで誤りと判断すべきではない、という考え方を示しています(文化庁広報誌の解説)。

正しいかどうかと、美しいかどうかは別の話です。ただ、美しく見える字も、まず骨組みが整っていることが前提だと思います。線の向きと長さ、大きさ、中心がそろってくると、細部に目を向ける余裕も出てきます。

最初に練習する字

何から練習するかについては、私は「いちばん多く書く字」から始めるのがよいと考えています。

  • 自分の名前。 書類でも宛名でも、いちばん人に見られる字です。
  • 住所。 名前の次に書く機会が多く、漢字と仮名と数字が混じるので、大きさの釣り合いの練習になります。
  • ひらがな。 どんな文にも出てくるので、ここが整うと文章全体の印象が変わります。

五十音を順番に全部やり直すより、毎日書く字から整えるほうが、変化を感じやすく、続けやすいと思います。

10分の使い方

私が勧めたい10分の使い方は、次のようなものです。

  1. 最初の2分は線だけ。 横線、縦線、左はらいを、長さをそろえて何本か書きます。手と目をならす時間です。
  2. 次の5分は、その日の字をゆっくり。 お手本をよく見て、書き順どおりに一画ずつ書きます。速く書く練習ではありません。
  3. 最後の3分は、ふだんの速さで。 名前や住所を、いつもの速さで一度書きます。ゆっくり書いた字と比べると、どこが崩れるかが分かります。

最後の3分が大事だと私は思っています。ゆっくりならきれいに書けても、ふだんの速さで崩れるなら、実際に人の目に触れる字は変わらないからです。

続けるための工夫と、変化の確かめ方

効果を実感するまでの期間は、人によって違います。私には確かな数字を挙げることができません。ただ、変化に気づく工夫はできます。

いちばん簡単なのは、同じ字を日付を入れて残しておくことです。毎日見比べても違いは分かりにくいものですが、一週間前、一か月前の字と並べると、線や大きさのそろい方が変わっているのに気づきやすくなります。

もうひとつは、練習する時間を決めてしまうことです。10分という短さは、毎日の決まった時刻に置きやすい長さだと思います。

スマもじで練習する

スマもじは、なぞり書きで字を練習する iPhone・iPad 向けのアプリです。指でも Apple Pencil でも書けます。

検索バーに練習したい文字を自由に入れられるので、自分の名前や住所をそのまま練習できます。収録している字はひらがな・カタカナ・漢字などあわせて1万字を超えます。字を入れると、お手本の線が書き順どおりに一画ずつ動き、その上をなぞります。一字書き終えるごとに点数が出て、全部の字を終えると平均点が表示されます。

点数は、お手本の線と自分の線がどれだけ重なっているかで決まります。書き順が正しいかどうかや、とめ・はねの形までは判定しません。ですから、点数は「お手本の形にどれだけ近いか」の目安として使っていただくのがよいと思います。線の向きや長さ、大きさがそろってくると、点数にも表れやすくなります。

練習した文字列ごとに平均点と日時が履歴に残り(最新20件まで)、よく練習する語はワードリストに保存しておけます。上に書いた「日付を入れて残す」ことの代わりに、点数の移り変わりを見ることができます。補助線(点線)の表示を切り替えたり、設定でお手本のアニメーションを遅くしたりもできます。

1,500円の買い切りで、広告やアプリ内課金はありません。書いた字はどこにも送信されません。

最初の使い方はスマもじの始め方で、続け方はスマもじ活用のヒントでご紹介しています。

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