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将棋の詰みの基本形:頭金、腹金、尻金を覚える

Hiroki ObaraHiroki Obara · DeveloperShogi365使い方
将棋の詰みの基本形:頭金、腹金、尻金を覚える

将棋を覚えたばかりのころは、王手はいくらでもかけられるのに、最後に玉を詰ませられないことがよくあります。王手をかけても玉が逃げてしまい、気がつくと持ち駒がなくなっている。そうなる理由の多くは、詰みの形を知らないことだと思います。

詰みには、名前の付いた決まった形があります。この記事では、金を使う三つの形、頭金・腹金・尻金を説明します。詰将棋の基本手筋 では、玉を詰みの形に連れていくための捨て駒を書きました。ここでは、その行き先になる「最後の形」だけに絞ります。

局面は文字で書きます。攻め方(詰ませる側)の駒には何も付けず、玉方の駒には「玉方」と書きます。どの局面も、プログラムで1手で詰むことと、ほかの金の打ち方では詰まないことを確かめてあります。

金の利きを先に確かめる

三つの形はどれも金を打つ形なので、最初に金の利きを確かめておきます。金は、前、左右、斜め前、真後ろの6マスに動けます。動けないのは斜め後ろの2マスだけです。

この「斜め後ろに利かない」ことが、三つの形の使い分けにそのまま出てきます。金を玉の前に打つか、横に打つか、後ろに打つかで、金が押さえるマスと、押さえられないマスが変わるからです。押さえられないマスを別の駒がふさいでいるときにだけ、その形は詰みになります。

頭金:下段の玉に

玉のすぐ前、玉の頭に金を打つ形です。いちばん基本の詰みの形です。

局面1: 玉方の玉が5一。攻め方の歩が5三。持ち駒は金。

▲5二金と打てば詰みです。5二の金は、玉の左右の4一と6一、玉の斜め前の4二と6二を押さえています。5三の歩が金を守っているので、玉は金を取れません。玉は一番下の段にいるので、後ろに逃げるマスがありません。

頭金が詰みになるのは、玉の後ろがふさがっているときです。玉が下段にいれば、盤の端がそのかわりをしてくれます。もうひとつの条件は、打った金に味方の駒のひもが付いていることです。ひもがなければ、玉は金を取って逃げます。

腹金:端の玉に

玉の真横、玉の腹に金を打つ形です。

局面2: 玉方の玉が1二。攻め方の歩が1四、銀が3三。持ち駒は金。

まず頭金を考えます。▲1三金と打つと王手になり、1四の歩が金を守っています。けれど玉は1一か2一に下がって逃げられます。玉が下段にいないので、頭金では後ろが空いてしまうのです。

正解は ▲2二金です。玉の横に打った金は、1一と2一、そして2三を押さえます。残る1三には1四の歩が利いています。2二の金は3三の銀が守っているので、玉は取れません。これで詰みです。

腹金は、玉が盤の端の筋にいるときによく出てきます。金を打った反対側は盤の外なので、逃げ道が片側にしかありません。金が押さえられないのは、金から見て斜め後ろにあたる玉の前のマスだけで、そこを別の駒で押さえておけば詰みます。

尻金:上を押さえた玉に

玉の真後ろ、玉の尻に金を打つ形です。

局面3: 玉方の玉が5二。攻め方の龍が3三、金が6一。持ち駒は金。

ここでも頭金を考えます。▲5三金と打つと、玉は4一に逃げるか、6一の金を取って逃げます。腹金の ▲4二金や ▲6二金も、玉に反対側へ逃げられます。

正解は ▲5一金です。後ろから打った金は、玉のいる5二と、左右の4一、6一に利きます。6一の金と5一の金はお互いを守っているので、玉はどちらも取れません。6二には6一の金が、4二には龍の斜めの利きがあります。玉の前の4三、5三、6三は、3三の龍が横に利いて押さえています。これで詰みです。

尻金が詰みになるのは、玉の上(玉方から見た前)を、龍や飛車などの別の駒がまとめて押さえているときです。後ろから打った金は、玉のいるマスと、その左右の2マスにしか利きません。玉の前と斜めに広がるマスは、ほかの駒に任せることになります。

三つの形の使い分け

三つを並べると、こう整理できます。

  • 頭金: 玉が下段にいて、後ろに逃げられないとき
  • 腹金: 玉が端の筋にいて、横に逃げ道が片側しかないとき
  • 尻金: 玉の上を、ほかの駒が押さえているとき

どの形でも、金が押さえられないマスを、盤の端か別の駒がふさいでいることが条件です。そして、打った金に味方の駒のひもが付いていること。この二つがそろったときに詰みます。

私は、詰ませ方を探すときに、まず「玉はどちら側が壁になっているか」を見るのがよいと考えています。下が壁なら頭金、横が壁なら腹金、上が壁なら尻金を、最初の候補にできます。局面2と局面3で頭金がうまくいかなかったのも、壁のない側に玉が逃げたからでした。

実戦で出てくる場面

実戦では、玉は囲いの中にいることが多く、まわりには玉方の金や銀があります。盤がこの記事の局面のように空いていることはまずありません。それでも、相手の囲いを崩して玉が下段に残ったときの頭金、端に逃げた玉への腹金、龍で上を押さえたあとの尻金は、どれもよく出てくる形です。

最初の頭金が詰みの形の中心で、腹金と尻金はその変化だと考えておくと覚えやすいと思います。将棋には「金はとどめに残せ」という格言があります。最後のこの形に使うために、金はできるだけ手元に残しておけ、という意味です。このほかにも、玉の横に銀を打つ「腹銀」や、龍を玉から1マス離して王手する「一間竜」など、名前の付いた詰みの形がいくつかあります。

形を覚えたら、3手詰へ

1手で詰む形が見えるようになったら、次は3手詰です。3手詰の多くは、一手目の王手で玉をこうした形に追い込み、三手目で詰ませる問題です。読み方は 詰将棋の始め方 に、こどもと始めるときの進め方は こどもと詰将棋 に書きました。

Shogi365 は、3手詰・5手詰・7手詰・9手詰を各1000問収録した詰将棋のアプリです。王手なら正解でも不正解でも指せて、玉方が自動で応じるので、どの形で詰ませるつもりだったかを盤の上で確かめられます。手数以内に詰まなければ失敗で、3回までやり直せます。解いたあとには「感想戦」で、最後がどの形で詰んだのかを一手ずつ振り返れます。

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