チェスのルール入門:駒の動きと勝ち方

チェスは、縦横8マス、全部で64マスの盤で、二人が16個ずつの駒を動かして戦うゲームです。駒は6種類で、キング1、クイーン1、ルーク2、ビショップ2、ナイト2、ポーン8。白と黒に分かれ、白が先に指します。
この記事では、チェスのルールを、覚える順番に沿って書きます。盤の置き方、駒の動き、勝ち方、特別な手、引き分けの順です。ルールの確認には、国際チェス連盟(FIDE)の競技規則を使いました。チェスのルールはこの規則で世界的に統一されているので、ここに書くことはどの国でも同じです。
1. 盤の置き方と駒の並べ方
盤は、白と黒(明るい色と暗い色)のマスが交互に並んでいます。FIDE の規則では、それぞれの対局者から見て右手前の隅が白いマスになるように置きます。最初に盤の向きを間違えると、キングとクイーンの位置が入れ替わってしまうので、ここは毎回確かめます。
駒は、自分に近い2つの段に並べます。
- いちばん手前の段: 両端にルーク、その内側にナイト、さらに内側にビショップ。残った真ん中の2マスにクイーンとキングを置きます
- その一つ前の段: ポーン8個を横一列に並べます
クイーンとキングのどちらを左に置くかは、「クイーンは自分の色のマスに」と覚えます。白のクイーンは白いマス(d1)、黒のクイーンは黒いマス(d8)です。こうすると、白と黒のクイーン、キングどうしが、同じ筋で向かい合います。
2. 駒の動き
チェスでは、駒が相手の駒のいるマスに動くと、その駒を取れます。取った駒は盤から取り除き、もう使いません。
キング: 周りの8マスのどこへでも1マス動けます。相手の駒が利いているマスには動けません。
クイーン: 縦・横・斜めに、何マスでも進めます。いちばん強い駒です。
ルーク: 縦と横に、何マスでも進めます。
ビショップ: 斜めに、何マスでも進めます。斜めにしか動かないので、白いマスのビショップはずっと白いマスに、黒いマスのビショップはずっと黒いマスにいます。
ナイト: 縦に2マス進んでから横に1マス、または横に2マス進んでから縦に1マスのマスへ跳びます。アルファベットの L の形です。途中に駒があっても飛び越えられる、チェスで唯一の駒です。
ポーン: 前に1マスだけ進みます。最初に動かすときだけは、2マス進むこともできます。駒を取るときは、斜め前の1マスにいる駒を取ります。まっすぐ前の駒は取れず、前に駒があると止まってしまいます。後ろには動けません。
キング以外の駒は、途中に駒があればそこで止まります。ナイトだけが例外です。
3. 勝ち方:チェックメイト
チェスの目的は、相手のキングをチェックメイトにすることです。
自分の駒が相手のキングを攻撃している状態を「チェック」と言います。チェックされた側は、次の手で必ずチェックを解かなければなりません。解き方は、キングが逃げる、チェックしている駒を取る、間に駒を置く、の3つです。この3つのどれも使えない状態が「チェックメイト」で、チェックメイトにした側の勝ちです。キングを実際に取ることはありません。
チェックとチェックメイトの違いや、3つの受け方の具体例は、チェックとチェックメイトの違い に詳しく書きました。
相手が負けを認めて「投了」した場合も、そこで勝ちになります。
4. 3つの特別な手
駒の動きに慣れてから覚えればよい、特別な手が3つあります。ここでは概要だけを書きます。
キャスリング: キングとルークを一度に動かす手です。キングがルークの方向へ2マス動き、ルークがキングを飛び越えて、そのすぐ隣に移ります。できるのは、キングとそのルークがまだ一度も動いていなくて、間に駒がないときだけです。キングがチェックされているとき、キングが通るマスや着くマスに相手の駒が利いているときもできません。キングを安全な隅に移し、ルークを中央に出すための手です。
アンパッサン: ポーンが最初の2マス進みで、相手のポーンの真横に並んだとき、相手のポーンはそれを、1マスだけ進んだものとして斜めに取れます。取れるのはその直後の1手だけです。
プロモーション: ポーンがいちばん奥の段に着くと、その同じ手のうちに、クイーン、ルーク、ビショップ、ナイトのどれかに取り替えます。どれにするかは自分で選べます。たいていはクイーンを選びますが、それ以外が正解になる場面もあります。
5. 引き分けになる場合
チェスには引き分けがあります。初心者が知っておきたいのは次の5つです。
- ステイルメイト: 手番の側に指せる手がなく、しかもチェックされていない。詳しくは ステイルメイトの記事 に書きました
- 駒が足りない: キング同士だけになったときのように、どちらもどう指してもチェックメイトにできない局面
- 合意: 二人が引き分けに同意する
- 同じ局面のくり返し: 同じ局面が3回現れたとき、手番の側が申し出れば引き分け
- 50手ルール: ポーンが動かず、駒も取られない手が双方50手ずつ続いたとき、申し出れば引き分け
最後の二つは、FIDE の規則では「申し出て認められる」引き分けです。申し出がなくても、同じ局面が5回現れるか、同じ条件の手が双方75手ずつ続けば、自動的に引き分けになります。
初心者が間違えやすいところ
ここからは、私が間違えやすいと思うところです。
ポーンの取り方。 ポーンは前に進むのに、取るのは斜めです。まっすぐ前の駒を取ろうとする間違いは、とてもよくあります。2マス進めるのは、そのポーンを最初に動かすときだけです。
キングを危ないマスに動かす。 キングは、相手の駒が利いているマスには動けません。相手のキングの隣も同じで、キング同士が隣り合うことはありません。
チェックを放っておく。 チェックされたら、ほかの手は指せません。逆に、チェックをかけたのに相手が気づかずに別の手を指したら、それは反則の手です。FIDE の規則では、反則の手は取り消して、その手の直前の局面に戻すことになっています。
チェックされたままキャスリングする。 上に書いたとおり、チェックされているときはキャスリングできません。
盤の向き。 右手前が白いマスです。キングとクイーンの位置が逆になる間違いは、ほとんどがここから来ます。
もうひとつ、大会や対面の対局では、自分の駒に触ったら、動かせるかぎりその駒を動かさなければならない、という決まりがあります(FIDE 規則の 4.3)。家で練習するときは気にしなくてよいと思いますが、知っておくと戸惑わずに済みます。
覚える順番
私が勧めたいのは、駒の動きとチェックメイトまでを先に覚えて、すぐに一局指してみることです。キャスリング、アンパッサン、プロモーションは、実際に指していて「ここで使えるのか」と出会ったときに覚えれば十分だと思います。引き分けの決まりも、ステイルメイトだけは早めに知っておくと、勝っている対局を引き分けにせずに済みます。
マイスポで動かしながら覚える
StudyX Mindsports(マイスポ)は、将棋・囲碁・チェスを含む12種類の頭脳ゲームを収録したアプリです。チェスの入門レッスンでは、タップで答えるクイズでルールを覚え、実戦の局面で練習します。日本語のレッスンにはふりがなが付いています。
チェスはキャスリング、アンパッサン、プロモーションまで国際ルールで指せます。マイスポでは、プロモーションしたポーンは自動でクイーンになります。ステイルメイト、同じ局面の3回のくり返し、50手ルール、駒が足りない局面は、アプリが判定して自動で引き分けにします。
レッスンを終えたら、Lv.1 から Lv.50 までの CPU と指せます。勝てば1つ上がり、負ければ1つ下がります。待ったもできるので、動きを間違えたら戻して確かめられます。対局の設定では、上手の白が駒を落とす「ポーン落ち」「ナイト落ち」「ルーク落ち」「クイーン落ち」も選べます。対局のあとは感想戦で一手ずつ振り返れます。ゲームと入門レッスンは無料で、広告が表示されます。上級レッスンは各ゲームの最初の1つが無料で、買い切りのアンロックで残りが開き、広告も消えます。
将棋と囲碁・チェスの違いは 将棋・囲碁・チェスの違い に、マイスポの使い方は マイスポの始め方 に書きました。ルールを覚えたあと、チェックメイトの形を毎日練習したい方には Chess365 もあります。
