世界にはいくつ国があるか:196と193の違い

世界にはいくつ国があるのか。こどもに聞かれて、すぐに答えられる大人は多くないと思います。しかも調べてみると、196という数字と193という数字の両方が出てきます。
外務省は、世界の国の数を196か国としています。これは日本が承認している195か国に、日本を加えた数です(外務省「世界と日本のデータを見る」)。総務省統計局の『世界の統計』も、2026年1月1日現在の数として同じ196を載せています(総務省統計局『世界の統計』付録)。
一方、国際連合の加盟国は193か国です。いちばん新しい加盟国は、2011年7月14日に加わった南スーダンです(United Nations, Member States)。
どちらも正しい数です。数え方が違うだけです。この記事では、2つの数がずれる理由と、そもそも「国」とは何かを、こどもに説明できる形でまとめました。
196と193がずれる理由
196は「日本が国として認めている国の数(と日本)」で、193は「国連に入っている国の数」です。この2つは、ほとんど重なっていますが、完全には重なっていません。
外務省によれば、日本が承認していて国連に加盟していない国が4つあります。バチカン、コソボ、クック諸島、ニウエです。反対に、国連に加盟していて日本が承認していない国が1つあります。北朝鮮です。
計算してみると、ぴったり合います。196から、国連に入っていない4か国を引くと192。そこに、日本は承認していないけれど国連には入っている北朝鮮を足すと193です。
こどもに説明するなら、この引き算と足し算をそのまま見せるのがいちばん分かりやすいと思います。「196と193のどちらが正しいの」という問いが、「誰が数えているの」という問いに変わります。
もうひとつの数え方:195
英語の資料では、195という数もよく見かけます。たとえば統計サイトの Worldometer は、国連加盟国の193に、国連のオブザーバー国家であるバチカン(教皇庁)とパレスチナを足して195としています(Worldometer)。国連は、この2つを「オブザーバーとして参加する常時の招待を受けている非加盟国」としています(United Nations, Non-member States)。
日本の196と、この195は、たまたま近い数ですが、中身は違います。日本の196にはコソボやクック諸島、ニウエが入っていて、北朝鮮とパレスチナは入っていません。
扱いが分かれる場所
ニュースで耳にする場所の中には、数え方によって国に入ったり入らなかったりする所があります。
台湾。 台湾は、日本の196にも、国連の193にも入っていません。独自の政府があり、多くの人が暮らしていますが、日本は台湾を国として承認していません。
パレスチナ。 パレスチナは国連のオブザーバー国家ですが、加盟国ではありません。2026年1月時点の外務省の196にも入っていません。
コソボ。 コソボは日本が承認している国で、196に入っています。けれども国連には加盟していないので、193には入っていません。
北朝鮮。 国連には加盟していて193に入っていますが、日本は承認していないので、日本の数え方では196の中に入っていません。
どこを国として認めるかは、それぞれの国が決めることです。だから、国の数は数える人によって変わります。数え方に正解が1つしかないわけではありません。
そもそも「国」とは何か
国とは何かを考えるとき、よく引かれるのが、1933年に結ばれたモンテビデオ条約です。その第1条は、国際法上の国の条件として、永続的な住民、決まった領域、政府、ほかの国と関係を結ぶ能力、の4つを挙げています(Montevideo Convention, Wikisource)。第3条には、国の政治的な存在はほかの国からの承認とは関係がない、とも書かれています。
ところが実際には、ほかの国が認めるかどうかで、扱いが大きく変わります。承認されれば大使館を置き合い、条約を結べます。承認されなければ、それが難しくなります。条件を満たしているように見えても、多くの国に承認されていない場所もあります。
こどもには、こんなふうに言えばよいと私は思っています。国には、住んでいる人と、土地と、まとめる政府がいる。そして、ほかの国から「あなたは国ですね」と認められて、はじめて国どうしのつきあいができる。だから、どの国が認めるかによって、国の数が少しずつ違ってくるのだ、と。
地図や地球儀で数えると、また違う
地図や地球儀で国を数えようとすると、また別のずれが出てきます。
ひとつは、小さな国です。バチカンは日本の196に入っている国ですが、とても小さいので、縮尺の小さい世界地図や地球儀では、形として描かれないことがよくあります。
もうひとつは、国ではない地域です。グリーンランドはデンマークの一部ですが、地図では大きな島として別の色で塗られていることがあります。南極は、どの国のものでもありません。
スポーツの大会も、また別の数え方をします。サッカーでは、イングランドやスコットランドがそれぞれ別のチームとして出場します。オリンピックやワールドカップで見る「国」と、外務省の196は、同じものではありません。
こどもが「地球儀で数えたら196じゃなかった」と言ったら、それはよい発見だと思います。何を数えているのかを考えるきっかけになるからです。
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StudyX Globe Atlas は、ブラウザで開く無料の地球儀で、私が作っています。インストールもアカウントも要らず、広告もありません。指やマウスで回して、国をタップすると、国旗と国名が出ます。
国の形のデータには、Natural Earth の縮尺1:1億1000万の国境データを使っています。このデータに入っている形は177で、そこには南極(アプリでは国として扱いません)、グリーンランド、台湾、コソボ、パレスチナ、西サハラなども含まれます。一方で、バチカンやシンガポールのような小さな国は、この縮尺では形として入っていません。地球儀の上で数えても196にならないのは、このためです。
国旗と国名のウィンドウの「i」ボタンを押すと「詳細データ」が開き、首都や人口などと並んで「独立国」と「国連加盟」の項目があります。コソボや台湾をタップして、この2つを見比べてみるのは、この記事の話を確かめるよい方法だと思います。ただし、このデータは REST Countries という外部のデータからその場で読み込んでいるもので、外務省の数え方とは基準が違います。表示とこの記事の内容が合わない所があれば、それも「誰が数えているか」の違いです。詳細データの読み込みにはインターネット接続が必要です。
旗のボタンから開く国旗の一覧には、地域ごとに175か国の国旗が並んでいます。国旗を見て地球儀の上で国を探す「Explore Game」もあります。
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世界にはいくつ国があるか。答えは196でも193でもあって、どちらも数え方とセットで覚えるのがよいと思います。数字そのものより、なぜずれるのかを知っているほうが、ニュースを見るときにずっと役に立つと考えています。