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電子ピアノとキーボード:こどもの最初の一台の選び方

Hiroki ObaraHiroki Obara · DeveloperKinder Piano使い方
電子ピアノとキーボード:こどもの最初の一台の選び方

ふつうのピアノの鍵盤は88あります。白鍵が52、黒鍵が36です。お店やネットで鍵盤楽器を探すと、この88鍵がそろった「電子ピアノ」と、61鍵ほどの「キーボード」が並んでいて、値段も大きさもかなり違います。

クリスマスや誕生日に、こどもの最初の一台を買おうとすると、ここで迷う方が多いと思います。この記事では、電子ピアノとキーボードの違いと、買う前に見ておきたいところを順に書きます。機種の入れ替わりは早いので、具体的な機種名は挙げません。お店の説明や仕様表を見るときに、どこを確かめればよいかに絞ります。

電子ピアノとキーボードの違い

おおまかに言うと、電子ピアノはピアノの代わりを目指した楽器で、キーボードはいろいろな音で気軽に遊べる楽器です。

  • 電子ピアノ は、88鍵で、鍵盤がピアノに近い重さになっているものが多く、ペダルがついていることもよくあります。家に置いて使う前提で、横幅があり、重さもあります。
  • キーボード は、61鍵前後で鍵盤が軽く、ピアノ以外の音色やリズム、伴奏の機能がたくさん入っていることが多いです。軽いので、使うときだけ出して、しまっておけます。

ただ、呼び方はメーカーやお店によって違い、88鍵のキーボードや、スタンドのない持ち運べる電子ピアノもあります。名前より、次に書く項目を仕様表で一つずつ見るほうが確かだと思います。

鍵盤の数

こどもが最初に弾く童謡なら、61鍵でも音が足りなくなることはまずありません。ピアノ教室に通う予定があり、何年か続けてクラシックの曲を弾くつもりなら、最初から88鍵を選んでおくと、買い替えずに済みます。

私は、61鍵か88鍵かは「習いに行くかどうか」で決めるのがよいと思います。家で遊びながら始めるなら61鍵で十分です。教室の宿題を家で練習するなら、教室のピアノと同じ88鍵のほうが、鍵盤の位置で迷わずに済みます。

鍵盤の重さ

鍵盤には二つの見どころがあります。

一つ目は、強く押すと大きい音、弱く押すと小さい音が出るか です。仕様表では「タッチレスポンス」「タッチセンス」のように書かれています。これがないと、どんな押し方でも同じ音量になり、強弱をつける練習ができません。おもちゃに近い安い鍵盤では、ついていないことがあるので確かめてください。

二つ目は、鍵盤の重さ です。電子ピアノの多くは、ピアノに近い手応えになるように、鍵盤を重めに作っています。キーボードの鍵盤は軽く、小さなこどもでも楽に音が出ます。

3歳や4歳のこどもには、軽い鍵盤のほうが、押せば音が出る楽しさを感じやすいと思います。一方で、軽い鍵盤に慣れてからピアノを弾くと、重くて驚くことがあります。教室に通い始めたら、重さのある鍵盤に替えることを考える。この順番でもよいと私は考えています。

ペダル

ピアノの右のペダルは、鍵盤から指を離しても音を伸ばすためのものです。電子ピアノにはペダルがついているものが多く、キーボードは別売りのペダルをつなぐ端子があるものと、ないものがあります。

こどもが習い始めてすぐの曲では、ペダルを使わないことがほとんどです。ですから、最初の一台でペダルを優先する必要はないと思います。ただ、あとからペダルをつなげるように、端子があるかだけは見ておくと安心です。

音とヘッドフォン

音の良さは、スピーカーとピアノの音の作り方で決まり、仕様表の数字からは分かりにくいところです。できればお店で、実際に鳴らしてみるのがいちばんだと思います。

それより大事なのは、ヘッドフォン端子があるかです。夜や早朝に練習したいとき、集合住宅に住んでいるときに、ヘッドフォンで弾けるかどうかで、練習できる時間が大きく変わります。

iPadやiPhoneとつなぐ端子

ピアノのアプリと一緒に使いたいなら、iPad や iPhone に MIDI でつなげるかを確かめます。MIDI は、どの鍵盤を押したかという信号を送る仕組みです。

仕様表や取扱説明書で、次のどれかが書かれていれば、つなげる見込みがあります。

  • USB の端子。 「USB TO HOST」のような名前がついていることもあります。
  • Bluetooth MIDI。 「Bluetooth MIDI」「Bluetooth LE MIDI」と書かれているものです。スピーカーとして音を鳴らすオーディオ用の Bluetooth とは別なので、「MIDI」の文字があるかを見てください。
  • 丸い5ピンの MIDI 端子。 古めの機種に多く、間に MIDI インターフェイスという機器をはさめばつなげます。

ヘッドフォン端子しかない場合は、MIDI ではつなげません。つなぎ方の手順や、必要なケーブルとアダプタは、MIDIキーボードをiPad・iPhoneにつなぐ方法にまとめました。

もう一つ、楽器そのものから音が出るか も確かめてください。鍵盤だけでスピーカーのない「MIDI キーボード」「MIDI コントローラー」と呼ばれる製品があります。パソコンやアプリの音を鳴らすための道具なので、それだけでは音が出ません。こどもの最初の一台なら、スピーカーのついた楽器を選ぶのが無難だと思います。

置き場所と高さ

88鍵の電子ピアノは、鍵盤の幅だけで1.2メートルを超えます。買う前に、置く場所の幅を測っておくと安心です。窓の前や、エアコンの風が直接当たる場所は避けたほうがよいと思います。

こどもが座ったときの高さも大事です。椅子が低いと、手首が鍵盤より下がって弾きにくくなります。高さを変えられる椅子を使うか、座面にクッションを足して、ひじが鍵盤と同じくらいの高さになるようにします。足が床に届かないときは、足台を置くと体が安定します。

キーボードは、使うたびに出してしまうと、出すのが面倒で弾かなくなることがあります。できれば、スタンドに載せて出しっぱなしにしておけると、こどもが思い立ったときにすぐ触れます。

中古やおさがりを使うとき

中古やおさがりの楽器は、最初の一台としてよい選択だと思います。そのときは、次のところを見ておくと安心です。

  • すべての鍵盤で音が出るか。押したあと、鍵盤がちゃんと戻るか
  • 強く押したときと弱く押したときで、音の大きさが変わるか
  • ペダルとヘッドフォン端子が使えるか
  • 電源アダプタがそろっているか
  • 機種名が分かるか

機種名が分かれば、メーカーのサイトで取扱説明書を探せることが多く、MIDI の端子の有無もそこで確かめられます。

まず画面の鍵盤で始めるのもひとつの方法

楽器を買う前に、iPad や iPhone の画面の鍵盤で始めて、続きそうなら買う。この順番も、私はよいと思います。こどもが鍵盤に興味を持つか、毎日少しでも触るかは、始めてみないと分かりません。

ただ、画面の鍵盤には押した手応えがなく、指の力を加減する練習にはなりません。画面で興味が育ってきたら、本物の鍵盤に触らせてあげる。そのときに、この記事の項目を思い出していただければと思います。

キンダーピアノと一緒に使うとき

キンダーピアノは、3歳ごろから小学校低学年までのこども向けの、iPhone と iPad で使うピアノアプリです。4歳の娘のために作りました。練習の画面では、次に弾く音符がハイライトされ、指番号が出て、押す鍵盤が光ります。

画面の鍵盤だけですべての機能が使えるので、楽器を買う前に試していただけます。Bluetooth と USB の MIDI キーボードにも対応していて、MIDI 接続は無料の範囲で使えます。キーボードをつないで鍵盤を押したときの音は、キーボード自身のスピーカーから出ます。アプリが自分でピアノの音を鳴らすのは、画面の鍵盤を押したときだけです。スピーカーのない MIDI コントローラーをつなぐと、鍵盤を押しても音が出ないので、この点は気をつけてください。

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始める時期については ピアノは何歳から始めるか に、教室に通う前に家でしておけることは ピアノ教室に通う前に家でできること に書きました。

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