キンダーペイントと他のお絵かき方法の比較:紙とクレヨン、フリーボード、塗り絵アプリ、Procreate

キンダーペイントは、2〜6歳のこども向けの iPhone・iPad 用お絵かきアプリです。このアプリを検討している保護者の方は、たいてい、お絵かきアプリ同士だけで比べているわけではありません。実際の選択肢はもっと広く、クレヨンの箱、iPad に最初から入っている描画ツール、たくさんあるこども向けの塗り絵アプリ、大人向けの本格的なお絵かきアプリ、といったものになります。この記事では、キンダーペイントをそれぞれと比べ、他の方法のほうが良いと思う場面も率直に書きます。
キンダーペイントにできること
まず、アプリに実際にできることだけを書いておきます。
- 5つのキャンバス。 ドローイング(真四角のシンプルなキャンバス)、ペイント(レイヤー機能つき)、スケッチ(鉛筆でのスケッチ練習)、マンガ(マンガを描くため)、ドット(ドット絵を描くため)。
- 道具。 クレヨン、鉛筆、万年筆、水彩マーカーなど7種類のブラシ。4種類の図形ツール(直線・円・三角・四角)、ワンタップの塗りつぶし、取り消し、3種類で全48色のカラーパレット、自分で作るカラーパレット。Apple Pencil にも対応しています。
- ペイントアカデミー。 幾何学図形や動物の似顔絵を描く、なぞり描きのレッスンです。
- 安心の設計。 広告なし、アカウント不要、オフラインで使えます。作品はカメラロールにすぐ保存できます。
- 開発の背景。 AMI モンテッソーリ教師の監修のもと、「安全・快適・表現力」の3つを柱に開発しました。
- 価格。 基本的なお絵かき機能は無料です。任意のサブスクリプション「Kinder Paint Pro」(月額または年額)で、マンガキャンバス、ドットキャンバス、ペイントアカデミー、キャンバスの無制限作成が使えるようになります。価格は App Store の購入画面に表示されます。
選択肢1:紙とクレヨンとスケッチブック
これが正直な基準であり、多くのこどもにとっては今でも最良の道具です。
良いところ。 本物のクレヨンには重さと手応えがあります。どれくらいの力で押すか、色がどう重なるか、紙がざらざらだと線がどう変わるか。こどもはそれを手で覚えます。画面もバッテリーも、準備もいりません。紙の絵は、そのまま冷蔵庫に貼れます。
違うところ。 紙は取り消せませんし、広い面をクレヨンで塗るのは時間がかかり、小さなこどもにはそれがもどかしいこともあります。場所をとり、汚れもします。電車や待合室では、これが問題になります。キンダーペイントには取り消しとワンタップの塗りつぶしがあり、かばんに入ります。私は、アプリが紙の代わりになるべきだとは思っていません。二つめのお絵かきの場所としてなら、十分に意味があると考えています。
選択肢2:iPad に最初から入っている描画ツール
iPhone と iPad に入っている Apple の「フリーボード」では、ボードに絵や手書き文字をかいたり、図形・線・テキストを加えたりできます。指でも Apple Pencil でも使えます。「メモ」アプリにも描画ツールがあります。
良いところ。 無料で、最初から入っています。年上のこどもや、となりで一緒に描く保護者には、十分な機能です。
違うところ。 フリーボードは共同作業やアイデア整理のためのアプリなので、メニューは大人向けに作られています。2歳のこどもには、お絵かきと関係のない押せる場所がたくさんあります。キンダーペイントは、2〜6歳のこどもがひとりで使えるように作っています。とてもシンプルな画面、本物らしいブラシ、そして広告やアカウント登録がじゃまをしないことです。
選択肢3:こども向けの塗り絵アプリ・キャラクターアプリ
App Store には、こども向けのお絵かきアプリや塗り絵アプリがたくさんあります。塗り絵、スタンプ、有名なキャラクターを中心にしたものが多く見られます。料金の形もさまざまで、広告つきの無料アプリ、アプリ内課金のあるもの、サブスクリプション制のもの、買い切りのものがあります。私はこれらを十分な数だけ試したわけではないので、どれが一番とは言いません。
良いところ。 塗り絵は、完成した見た目の絵をすぐに手にできます。好きなキャラクターがきっかけで、あまり乗り気でなかったこどもが筆をとることもあるでしょう。
違うところ。 出発点が根本的に違います。塗り絵アプリは、たいてい誰かが描いた絵から始まります。キンダーペイントは主に白いキャンバスから始まり、構造のある部分であるペイントアカデミーも、線の中を塗るのではなく、なぞって描く練習です。こうしたアプリを検討されるなら、広告が出るか、アカウントが必要か、オフラインで使えるかを確かめておくことをおすすめします。アプリごとの違いがいちばん大きいのが、その3点だからです。
選択肢4:Procreate のような本格的なお絵かきアプリ
iPad と Apple Pencil があるご家庭では、イラストレーターが使うのと同じアプリをこどもに、と考える方もいらっしゃいます。いちばんよく知られているのが Procreate です。2026年9月時点では、iPad 専用の買い切りアプリで、数百種類のブラシ、高度なレイヤー機能、アニメーション機能、非常に大きなキャンバスを備えています。
良いところ。 本物のプロ用の道具です。本格的に絵を描くようになったこどもでも、物足りなくなることはないでしょう。
違うところ。 大人のために作られています。ブラシやパネルやジェスチャーの多さは、プロにとってはちょうどよく、3歳のこどもには多すぎます。また iPad でしか使えませんが、キンダーペイントは iPhone でも使えます。2〜6歳には、選択肢が少ないほうが、かえってたくさん描けると私は考えています。
比較表
| キンダーペイント | 紙とクレヨン | フリーボード(標準) | こども向け塗り絵アプリ | Procreate | |
|---|---|---|---|---|---|
| 2〜6歳向けの設計 | はい | はい | いいえ | アプリによる | いいえ |
| 始まり方 | 白いキャンバス、またはなぞり描きレッスン | 白い紙、または塗り絵帳 | 白いボード | 多くは塗る絵から | 白いキャンバス |
| 取り消し | あり | なし | あり | アプリによる | あり |
| 広告 | なし | なし | なし | アプリによる | なし |
| 使える機器 | iPhone と iPad | どこでも | iPhone・iPad に標準搭載 | アプリによる | iPad のみ |
| 費用 | 基本機能は無料、任意のサブスクリプションあり | クレヨン代 | 無料(標準機能) | アプリによる | 買い切り |
他の方法のほうが向いている場合
- 本物の画材の感触を知ってほしい場合。 それは紙とクレヨンにしかできません。何を選ぶにしても、家に置いておきたい道具だと思います。
- 7歳以上で、もっと細かく描きたい場合。 キンダーペイントは2〜6歳向けです。年上のこどもには、一般的なお絵かきアプリや本格的なアプリのほうが合っています。
- たまの落書きに無料のものがあれば十分な場合。 フリーボードやメモは費用もかからず、すでに入っています。
- 好きなキャラクターがやる気のもとになっている場合。 そのキャラクターの塗り絵アプリのほうが、白いキャンバスより背中を押してくれるかもしれません。
- サブスクリプションを一切使いたくない場合。 キンダーペイントのマンガキャンバス、ドットキャンバス、ペイントアカデミーは Pro のサブスクリプションに含まれる点にご注意ください。基本的なお絵かき機能は無料のままです。
私がキンダーペイントにいちばん合っていると思うのは、タブレットでひとりで絵を描きたい2〜6歳のこどもで、広告なし、アカウントなし、インターネット接続なしで使わせたいご家庭です。紙の代わりではなく、紙のとなりに置く、はじめてのデジタルキャンバスのつもりで作っています。
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