ポモドーロ・テクニックのやり方と、片付けへの応用

ポモドーロ・テクニックは、25分の作業と短い休憩を繰り返す時間の使い方として知られています。名前は聞いたことがあっても、細かいやり方は人によって説明がまちまちです。この記事では、考案者本人の説明に沿って基本の手順をまとめ、そのうえで片付けに使うときの考え方を書きます。最後に、私が作っている片付けタイマー TidyTimer での設定方法も紹介します。
どこから生まれた方法か
ポモドーロ・テクニックを考えたのは、イタリアのフランチェスコ・シリロ氏です。公式サイトによると、1980年代、大学の試験勉強をしていたときに、トマトの形をしたキッチンタイマーを使って、まずはたった2分間だけ集中してみることを自分に課したのが始まりだそうです。「ポモドーロ」はイタリア語でトマトのことです。その小さな試みが、観察と実践を重ねて、時間と付き合うためのひとつの方法になりました。
基本のやり方
シリロ氏が2012年に Atlassian のブログへ寄稿した記事では、基本の手順が次のように説明されています。
- 取り組む作業を決める。
- タイマーを25分にセットする。
- タイマーが鳴るまで、その作業だけをする。
- 短い休憩を取る。ここまでで1ポモドーロ。
- 4ポモドーロごとに、長めの休憩を取る。
同じ記事では、1ポモドーロは25分で、そのあとに3分から5分の休憩、4ポモドーロごとに15分から30分ほどの長い休憩、と書かれています。
これだけなら簡単です。ただ、公式サイトを読むと、シリロ氏自身はこの方法を「25分のセッションの繰り返し」以上のものとして説明しています。作業の候補を集める「Activity Inventory」、その日にやることを選ぶ「To Do Today」のシート、実際にかかった量を記録する「Records Sheet」を使い、計画と見積もり、中断への対処、振り返りまでを含めた仕組みになっています。
続けるために大事なこと
公式サイトで繰り返されているのは、自分に厳しくしすぎないことです。休憩は頑張ったごほうびではなく、方法の一部だと書かれています。目的は、無理をしてもっと多くをこなすことではなく、自分がどう働くかを理解して、時間とのより健全な関係を少しずつ作ることだとされています。
私はこの考え方がこの方法のいちばん良いところだと思います。タイマーが鳴ったら、きりが悪くても手を止める。休憩中は、次の作業を始めない。これを守るだけでも、だらだら続けて疲れきることが減ります。
中断が入ったとき。 作業中に別のことを思い出したり、話しかけられたりすることはあります。公式サイトは、中断を記録して、計画と実際を比べることを勧めています。思いついたことは紙に書いておき、いまの作業に戻る。それだけで、頭の中から追い出せることが多いと思います。
25分が長すぎるとき
25分は、慣れないうちは長く感じるかもしれません。公式サイトには、小さな調整を試し、その効果から学び、自分の状況に合ったリズムを少しずつ作っていく、という考え方が書かれています。シリロ氏自身も最初は2分から始めています。
ですから、最初は15分や10分から始めても、方法の考え方からは外れていないと私は考えています。大事なのは、決めた時間はその作業だけをすること、そして休憩を取ることです。慣れてきたら少しずつ伸ばし、25分に近づけていけばよいと思います。逆に、深く集中できる作業なら、もっと長くしたくなることもあるでしょう。その場合も、休憩を飛ばさないことだけは守るのがよいと思います。
片付けに使うとき
ポモドーロ・テクニックは勉強や仕事の方法として紹介されることが多いのですが、私は片付けにもよく合う方法だと考えています。ただ、机の上の作業とはいくつか違うところがあります。
体を動かすので、疲れ方が違う。 片付けは立ったりしゃがんだり、物を運んだりします。頭の疲れより体の疲れが先に来ることもあります。休憩では座って水を飲むなど、体を休めることを意識するとよいと思います。
物が広がる。 片付けでは、途中で床に物が広がっている時間があります。25分で鳴ったときに部屋が始める前より散らかっている、ということも起こります。私は、1ポモドーロで終わる大きさに作業を小さく切ることを勧めます。「クローゼット」ではなく「クローゼットの上の段」、「台所」ではなく「引き出しをひとつ」。範囲が小さければ、鳴った時点で元に戻せないほど広がることはありません。
見積もりの練習になる。 シリロ氏の方法には、作業にかかる量を記録し、見積もりを現実に近づけていく段階があります。片付けでも、「この引き出しは1ポモドーロで終わった」「本棚は3回かかった」と記録していくと、次に片付けるときの計画が立てやすくなります。
終わりが目に見える。 片付けの良いところは、成果がすぐに見えることです。1ポモドーロのあとの休憩で片付いた場所を眺めるのは、次の25分に向かう気持ちを作ってくれると思います。
TidyTimer で設定するには
TidyTimer は、ブラウザで使える無料の片付けタイマーです。インストールもアカウント登録もいりません。スマホ、タブレット、パソコンのブラウザで動きます。画面にはタイマーと、5件までのタスクリストがあります。
時間の設定。 右上の設定アイコンから設定シートを開き、時間のプルダウンで選びます。選べるのは5、10、15、20、25、30、60、90分の8通りです。ポモドーロなら25分を選びます。初期値は5分で、選んだ時間は次回からの既定の時間として保存されます。
休憩の計り方。 短い休憩を TidyTimer で計るなら、設定シートで5分に切り替えます。タイマーが止まっているときに時間を変えると、表示はすぐにその時間になります。休憩が終わったら、また25分に戻します。長い休憩には15分、20分、30分が選べます。毎回切り替えるのが手間なら、休憩はキッチンタイマーやスマホの時計に任せてもよいと思います。
タスクリスト。 「To Do Today」の代わりに、その日に片付ける場所を5件まで書いておけます。終わったらチェックを付けます。5件という上限は、1日に欲張りすぎないためにちょうどよい数だと私は考えています。
終わったときの知らせ。 終了すると短い電子音が1回鳴り、スマホやタブレットではバイブレーションも試みます(iPhone の Safari では振動しません)。パソコンでは、通知を許可していればブラウザの通知が出ます。スマホでは通知は使いません。音は鳴り続けるアラームではないので、離れた部屋にいると聞き逃すかもしれません。また、画面がスリープしていたり、ほかのアプリを開いていたりするときに確実に鳴るとは言えないので、画面を開いたまま近くに置いておくのが確実です。
最初の使い方は TidyTimer の始め方で、毎日の使い方のアイデアは TidyTimer 活用のヒントでご紹介しています。