大人が静かに遊べるパズルゲームの選び方

寝る前に10分だけ、頭を使うパズルを解きたい。そう思ってアプリを入れると、カウントダウンが始まり、失敗するとハートが減り、クリアするたびに画面いっぱいに紙吹雪が舞って、広告の動画が流れる。翌日には「ライフが回復しました」と通知が届く。パズルそのものは面白いのに、まわりがうるさくて落ち着かない。そういう経験のある人は少なくないと思います。
この記事では、大人が静かに遊べるパズルゲームを選ぶときに、私が見るところを書きます。私自身も Math Gates というパズルゲームを作っているので、最後にその話も少しします。
「静かなパズル」の条件
私が考える静かなパズルの条件は、次の5つです。
- 時間制限、ライフ、スタミナがない
- 遊んでいる最中に、広告や購入の案内が割り込まない
- 通知で呼び戻そうとしない
- 画面と音が落ち着いている
- お金の払い方が分かりやすい
一つずつ説明します。
1. 時間制限、ライフ、スタミナがない
パズルの面白さは、考えることにあると私は思っています。時間制限があると、考えるより先に手を動かすことになります。失敗するとライフが減る仕組みでは、試してみることがためらわれます。
スタミナの仕組みにも注意が必要です。1回遊ぶたびにスタミナを使い、なくなると時間がたつまで遊べない。回復を早めるには広告を見るか、お金を払う。この形のゲームは、遊ぶ時間をゲームの側が決めてしまいます。大人が自分の空いた時間に静かに遊ぶには、向いていないと思います。
2. 遊んでいる最中に割り込まない
無料のアプリに広告があるのは、自然なことです。作り手が続けていくための仕組みでもあります。問題は、広告が出るタイミングです。
考えている途中で動画広告が始まると、読みかけの手順はそこで途切れます。一方、問題を解き終えたあと、次の問題に進む前に広告が入るなら、考えている時間は守られます。広告があるかないかより、どこに出るかを見るほうが大事だと私は考えています。
3. 通知で呼び戻さない
「ライフが満タンになりました」「今日のボーナスを受け取りましょう」。こうした通知は、遊ぶきっかけを作るためのものですが、静かに遊びたい人には余計なものです。
通知は、iPhone の「設定」から、アプリごとにオフにできます。ただ、最初から通知を送らないアプリや、自分でオンにしたときだけ送るアプリのほうが、気が楽だと思います。
4. 画面と音が落ち着いている
クリアしたときの派手な演出や、盤の上でずっと点滅している表示は、楽しさを足すためのものです。ただ、毎回続くと疲れます。
効果音とBGMを別々に消せるかどうかも見ておくとよいと思います。電車の中や家族が寝ている部屋で遊ぶなら、音はないほうがよいですし、振動だけ残したいこともあります。
5. お金の払い方が分かりやすい
課金の形は、大きく分けて3つあります。広告を消すための買い切り、月ごとのサブスクリプション、ヒントやコインなどを少しずつ買う形です。
静かに遊びたいなら、私は買い切りの形が向いていると思います。一度払えばそれで終わり、という形は、遊んでいる途中で「買いますか」と聞かれることがありません。ヒントやコインを買う形のゲームは、詰まったところで購入の案内が出やすい作りになっています。
ストアのページで確かめる
インストールする前に、App Store のページでいくつか確かめられます。
App内課金の一覧。 ページの下のほうに、アプリの中で買えるものの一覧があります。「広告の削除」が一つだけなら、買い切りの形だと分かります。コインやライフ、ジェムの名前が何種類も並んでいたら、遊んでいる途中で購入を勧められる作りの可能性が高いと思います。
スクリーンショット。 画面の中に、時計やハートのマーク、残り時間のゲージがあるかを見ます。
レビュー。 「広告が多い」「途中で広告が出る」といった声があるかを見ます。
広告もアプリ内課金も避けたいなら、月額制の Apple Arcade という選択肢もあります。Apple Arcade のゲームには、広告もアプリ内課金もありません。料金は月ごとにかかるので、遊ぶ量と比べて決めればよいと思います。
Math Gates について
Math Gates は、私が作っている回路パズルのゲームです。盤の空きマスに、数を変える「門」と、進む向きを90度曲げる「鏡」を置き、「うごかす」を押すと、数を持った「ビット」がまっすぐ走ります。目的地の「ポート」は、条件を満たす値しか受け取りません。使った門が少ないほど、星が多くもらえます。
上の5つの条件に照らすと、次のようになります。時間制限もライフもなく、何度でも置き直せます。広告はクリアの合間にだけ出て、盤を組んでいる最中には出ません。広告は買い切りの課金で完全に消せます。通知を送る機能はありません。画面は、昔の携帯ゲーム機のような緑の4階調だけで描いていて、カウントダウンもポップアップもなく、盤の上のものは点滅しません。設定で効果音と振動をそれぞれオフにできます。
7ワールド140問で、App Store の説明には「対象は 8 歳から。静かなパズルが好きな大人にも」と書いています。ヒントは、広告を見ると正解の駒を1つ置いてくれる仕組みで、広告を消す課金をしていれば広告なしで使えます。今は iPhone と iPad で遊べます。
こどもに向けた論理パズルの選び方は 小学生向けの論理パズルの選び方 に、ほかのパズルゲームとの比較は Math Gates と他の選択肢の比較 に書きました。
静かなパズルは、遊んでいる時間を自分のものにしてくれるパズルだと思います。考えるのも、休むのも、やめるのも、自分で決められる。私はそういうゲームを作りたいと考えています。
