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二眼で生きる:囲碁の死活の基本

Hiroki ObaraHiroki Obara · DeveloperStudyX Mindsports使い方
二眼で生きる:囲碁の死活の基本

囲碁を覚えて最初に打つ対局では、ルールは分かっているのに、どの石が取られるのか、どの石は放っておいてよいのかが分かりません。そこで出てくるのが「生きている石」「死んでいる石」という言葉です。石の生き死にを「死活」と呼びます。

死活の中心にあるのは、「二眼あれば生き」という一つの決まりです。この記事では、その決まりがなぜ成り立つのかを、ルールから順に書きます。石の取り方や着手禁止点のルールは 囲碁のルール超入門 に書きました。

図は文字で書きます。●が黒、○が白、・が空いている点です。はじめの二つの図は、上の行と左の列が盤の端で、左上が隅です。

眼とは何か

石のまわりの、縦横につながった空き点を「呼吸点」といいます。呼吸点が全部ふさがると、その石は取られます。

「眼」は、自分の石だけに囲まれた空き点です。相手がそこに打つと、打った石は呼吸点が一つもありません。囲碁のルールでは、呼吸点のない所に打つことはできません。ただし、そこに打つことで相手の石を取れる場合だけは打てます。

眼が一つでは取られる

●・●●●○
●●●●●○
○○○○○○

黒の石の呼吸点は、左上の・の1か所だけです。これが黒の眼です。白はここに打てるでしょうか。

打った白石には呼吸点がありません。けれど、そこに打つと黒の最後の呼吸点がふさがるので、黒の石がすべて取れます。相手の石を取れる手なので、白は打てます。眼が一つしかない石は、まわりを全部ふさがれたら、最後に眼の中に打たれて取られてしまいます。

眼が二つあれば取られない

●・●・●○
●●●●●○
○○○○○○

今度は、黒の眼が二つあります。白がどちらかの眼に打っても、黒にはもう一つの眼が呼吸点として残っているので、黒は取れません。黒を取れない以上、呼吸点のない所に打つ手なので、白は打てません。もう一つの眼にも、同じ理由で打てません。

白は二つの眼のどちらにも打てず、黒の呼吸点を減らす方法がありません。ですから、この黒は、黒が自分で眼をふさがない限り、終局まで取られることがありません。これが「二眼で生きる」です。

二つの眼は、離れていることが大事です。空き点が二つ並んでいても、つながっていれば眼は一つと数えます。白に一つずつ打たれていくと、最後の一つで取られます。

欠け眼

眼のように見えて、本当の眼でないものを「欠け眼」といいます。

眼のまわりの黒石が全部つながっていれば、眼は本物です。ところが、眼の斜めの点を白に取られていると、眼のまわりの黒石が二つに分かれてしまうことがあります。そうなると、白は分かれた片方の石をアタリにして、眼の中に打って取ることができます。眼が一つ消えるわけです。

目安は、眼の斜めの点です。

  • 盤の中ほどの眼:斜めの4点のうち、2点を相手に取られたら欠け眼
  • 辺の眼:斜めの2点のうち、1点を取られたら欠け眼
  • 隅の眼:斜めの1点を取られたら欠け眼

初心者のうちは、眼の数を数えるときに、斜めの点も一緒に見る習慣をつけるとよいと思います。

急所の形

囲いの中の空き点が三つ、四つと少ないときは、どこに打つかで生き死にが決まります。その点を「急所」と呼びます。ここでは、まわりを相手に囲まれていて、外に逃げられない石の場合で書きます。

直三(ちょくさん): 空き点が3つ、一直線に並んだ形です。

●●●●●
●・・・●
●●●●●

真ん中が急所です。黒が真ん中に打てば、左右に眼が一つずつできて二眼になり、生きます。白が先に真ん中に打つと、黒は眼を二つに分けられず、死にます。

曲三(まがりさん): 3つの空き点が L 字に曲がった形も、曲がり角の点が急所です。考え方は直三と同じです。

直四(ちょくし): 空き点が4つ一直線に並んだ形は、生きています。白が内側の2点のどちらかに打てば、黒はもう片方に打って二眼にできるからです。急所が二つあって、片方を打たれてももう片方が残る。こういう関係を「見合い」といいます。

方四(ほうし): 4つの空き点が2×2の正方形になった形は、何もしなくても死んでいます。黒がどこに打っても眼を二つに分けられないからです。

ほかにも、五つや六つの空き点の形にそれぞれ急所があります。数は多くありませんが、一度に全部覚える必要はないと思います。まず直三の真ん中を覚えると、ほかの形も「眼を二つに分けられる点はどこか」という同じ問いで考えられます。

セキ

二眼がなくても取られない場合が一つだけあります。黒と白の石がお互いに囲み合い、どちらも先に打つと自分が取られてしまうので、どちらも打てない形です。これを「セキ」といいます。セキの石は取られずに残ります。日本のルールでは、セキの中の空き点はどちらの地にも数えません。

セキは初心者の対局ではあまり出てきません。最初は、生きるには二眼、と覚えておけば足ります。

死活を覚えるには

私は、死活の練習には「詰碁」がよいと考えています。詰碁は、石の生き死にだけを問う問題で、将棋の詰将棋にあたります。「黒先生き」なら黒が打って生きる手を、「黒先白死」なら黒が打って白を殺す手を探します。

初めは、空き点が少なく、答えの手が一手で分かる問題から始めるのがよいと思います。上に書いた直三の真ん中のような急所の形を、問題を通して何度も見ることになるからです。解くときは、答えの一手だけでなく、相手がどう応じても二眼ができるか、あるいは二眼ができないかまで確かめます。そこまで考えることが、死活の力になると思います。

実戦では、自分の石が囲まれそうになったら、早めに眼を二つ作れる広さを確保することです。囲まれてから眼を作ろうとしても、空き点が少なければ、急所に打たれて終わります。逆に、相手の石を囲んだら、急所に先に打てる手番を逃さないことです。

ルールの言葉で書くと単純ですが、生きている石と死んでいる石が見分けられるようになると、どこに打てばよいかが急に見えてくると思います。日本棋院の入門のページにも、最小の生きや欠け眼を扱う死活の講座と、死活の練習問題があります。

マイスポで死活を学ぶ

StudyX Mindsports(マイスポ)は、囲碁を含む12種類の頭脳ゲームを収録したアプリです。囲碁は9路盤で打てます。囲碁の入門レッスンには「二眼で生きる」という章があり、タップで答えるクイズと実戦の局面で、この記事の内容を盤の上で確かめられます。上級レッスンには「死活の急所」もあります。

レッスンを終えたら、Lv.1 から Lv.50 までの CPU と打てます。勝てば1つ上がり、負ければ1つ下がるので、相手の強さは結果に合わせて変わります。対局のあとには感想戦で手を振り返れます。9路盤は盤が狭いので、石の生き死にがすぐに勝負に関わってきます。9路盤については 9路盤とは に書きました。

ゲームと入門レッスンは無料で、広告が表示されます。上級レッスンは各ゲームの最初の1つが無料で、買い切りのアンロックで残りが開き、広告も消えます。マイスポの使い方は マイスポの始め方 に書きました。

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