ケンブリッジ英検はどのレベルを受けるべきか:KETからCPEの選び方

ケンブリッジ英検(Cambridge English Qualifications)の大人向けの主な試験は5つあり、それぞれが CEFR のひとつのレベルを狙って作られています。A2 Key(KET)は A2、B1 Preliminary(PET)は B1、B2 First(FCE)は B2、C1 Advanced(CAE)は C1、C2 Proficiency(CPE)は C2 です(Cambridge English の試験一覧)。
英検のように級を順に上がっていく試験ではないので、最初にどの試験を受けるかを自分で決める必要があります。この記事では、その決め方を、目的、今の実力、試験日までの期間の三つから考えます。試験の仕組みや英検との違いはケンブリッジ英検とはに書いたので、ここでは選ぶことに絞ります。数字はすべて2026年10月に公式サイトで確認したものです。
目的から決める
いちばん先に確かめたいのは、結果をどこに出すかです。大学や企業、留学先が「B2 以上」や「B2 First の合格」のように条件を決めているなら、受ける試験はほぼそれで決まります。条件が CEFR のレベルで書かれているのか、特定の試験名で書かれているのかも見ておくとよいと思います。前者なら、別の試験で同じレベルの認定を受ける道もあります。
提出先がなく、自分の力を確かめたいだけなら、次の二つで決めることになります。
今の実力を確かめる
Cambridge English は、無料のレベルチェックを公開しています。一般向け、学校向け、ビジネス向け、こども向けの4種類があり、短いテストで今のレベルの見当がつきます。ただし公式サイトにも書かれているとおり、これは正式な試験ではなく、結果はあくまで目安で、英語力の証明にはなりません。
もうひとつの方法は、受けようとしている試験のサンプル問題を解いてみることです。各試験の公式ページには、準備のための教材やサンプル問題が置かれています。レベルチェックで見当をつけ、サンプル問題で形式と難しさを体で確かめる。この順が分かりやすいと思います。
書く力と話す力は、短いオンラインのテストでは測りにくく、自分でも見積もりにくいところです。ケンブリッジ英検は4技能の平均で全体のスコアが決まるので、書く・話すに自信がないなら、そのぶん低めに見積もっておくのが安全だと私は考えています。
試験日までの期間から考える
Cambridge English のヘルプページには、英語をまったく学んだことのない人が各レベルに届くまでの、指導を受けての学習時間(guided learning hours)の目安が載っています(Guided learning hours)。
| 試験 | ゼロからの累計時間の目安 |
|---|---|
| A2 Key | 約180〜200時間 |
| B1 Preliminary | 約350〜400時間 |
| B2 First | 約500〜600時間 |
| C1 Advanced | 約700〜800時間 |
| C2 Proficiency | 約1,000〜1,200時間 |
これは授業などの指導を受けた時間の目安で、これまでの学習歴、学習の密度、年齢、授業外の学習量などで大きく変わる、と同じページに書かれています。それでも、隣り合うレベルのあいだに、おおよそ150時間から400時間の差があることは分かります。試験日まで3か月しかないなら、今のレベルからひとつ上を狙うのがせいぜいで、二つ上は現実的ではない。この表は、そういう判断に使えると私は考えています。
背伸びするか、確実に取るか
迷うのは、今の実力が二つのレベルの境目にあるときだと思います。ここで知っておきたいのが、ケンブリッジ英検の結果の出方です。各試験は、狙ったレベルだけでなく、上下のレベルも認定します(結果の説明)。
| 試験 | 一つ上のレベル(グレード A) | 狙ったレベル | 一つ下のレベル |
|---|---|---|---|
| A2 Key | 140〜150で B1 | 120〜139で A2 | 100〜119で A1 |
| B1 Preliminary | 160〜170で B2 | 140〜159で B1 | 120〜139で A2 |
| B2 First | 180〜190で C1 | 160〜179で B2 | 140〜159で B1 |
| C1 Advanced | 200〜210で C2 | 180〜199で C1 | 160〜179で B2 |
| C2 Proficiency | なし | 200〜230で C2 | 180〜199で C1 |
数字は Cambridge English Scale のスコアです。たとえば、B1 と B2 の境目にいる人が B2 First を受けて届かなかった場合でも、140以上なら B1 の認定が出ます。逆に B1 Preliminary を受けて160以上を取れば、B2 の認定が出ます。
どちらを選んでも、境目にいる人は結果として近いレベルの認定を得られる可能性があるわけです。違うのは、証明書に書かれる試験名と、準備の中身です。提出先が試験名で条件を決めているなら、その試験を受けるしかありません。そうでなければ、私は「準備の時間が足りるなら上の試験」を勧めます。上の試験の形式で準備をすることそのものが、ひとつ上のレベルへの練習になるからです。試験日が近く、準備に使える時間が少ないなら、下の試験で確実に結果を残すほうがよいと思います。
なお、A2 Key、B1 Preliminary、B2 First には、学齢期の受験者向けの「for Schools」版があり、同じレベルを学校生活に近い話題で測ります。小学生くらいまでのこどもには、Pre A1 Starters、A1 Movers、A2 Flyers という別の試験があります。
AlphaGeorge の診断テストで分かること
私が作っている iPhone・iPad 用の AlphaGeorge は、ケンブリッジ英検の準備のためのアプリです。最初に約5分の「診断テスト」があり、結果は「あなたのレベル」として CEFR で表示されます。
分かることと分からないことを、正確に書いておきます。診断テストは A1 から C1 までのブロックに分かれていて、文法の穴埋め、文法の誤りの指摘、語彙の4択、読解の正誤、会話文の穴埋めで構成されています。結果は、実力より高く出るよりは低めに出るようにしています。
一方で、診断テストには聞く・書く・話す問題は入っていません。結果は Cambridge English Scale のスコアでも、公式の認定でもなく、アプリの中でどのレベルから始めるかを決めるための目安です。試験を選ぶときは、上で書いた公式のレベルチェックやサンプル問題と合わせて使ってください。
コースは A1 から C2 の6レベル、合計66ユニットで、A2 から C2 のレベルがそれぞれ KET から CPE に対応しています。各レベルの中間テストと総合テストのレポートでは、CEFR ごとの到達度が分かります。問題はすべてこのアプリのために作ったもので、Cambridge University Press & Assessment の出版物ではありません。
無料で始められ、広告とハートの制限があります。AlphaGeorge Premium(2026年10月時点の日本の App Store で月額1,200円、年額6,000円)に入ると、広告がなくなり、ハートが無制限になり、終えたレッスンをやり直せます。CEFR と英検・TOEIC の対応は対応表の見方に、最初の一回の流れは「AlphaGeorge の始め方」に書きました。
