Niho はどんな人のためのアプリ?

Nihoは日本語の読書アプリで、読書アプリが役に立つのは、少しでも読めるようになってからです。当たり前のことですが、これで誰に向いているかがかなり決まります。存在しない「平均的な学習者」を描くかわりに、私が思い浮かべていた具体的な人たちと、それぞれにとって Niho が実際に何をするのかを書いてみます。
教科書を終えた学習者
Niho がいちばんぴったり合うのは、この人たちです。仮名は読める。漢字も数百は知っている。教科書の会話文なら読み通せる。そして、教科書の次に何があるのかと考えはじめている。
その次にあるのは、たくさん読むことです。その入り口が「はじめの一冊」の棚です。短く平易な名作30編を、おおよその難易度順に並べていて、いくつかは昔話や童話なので、ほとんどの漢字にふりがながあります。学習者向けに書かれた文章ではなく、日本の読者のために書かれた本物の本です。最初の一冊はゆっくりでしょう。5冊目は、そうではないと思います。
JLPT の準備をしている人
単語帳には JLPT N5〜N1 の単語リストが入っていて、自分が出会った語がどのレベルに属するかが分かります。辞書の見出しにも JLPT レベルが出ます。
ここで何ができるかは、正直に書いておきます。Niho は試験対策アプリではありません。模擬試験も文法ドリルもありません。そのかわりに、試験対策に欠けがちなものがあります。試験のことなど考えずに書かれた文の中で出会う語彙です。とくに読解では、長い文章を読み通す習慣が効いてきます。このアプリは、その習慣を作るためにあります。
原文で読みたい人
文学から日本語に入る人もいます。漱石や芥川や宮沢賢治を翻訳で読んで、書かれたとおりに読みたくなった人たちです。青空文庫にはそうした作家の作品が、日本で著作権の切れた形で、省略なしで入っています。
それでも、この方々にもお伝えしたいのは、望むより短いものから始めてください、ということです。『こころ』より、芥川の短編や賢治の童話のほうが入り口としては向いています。ただ、図書館は全部そこにあり、辞書はどこまでもついてきます。見出しごとの漢字の分解は、文学の語彙でとくに役立ちます。英語の訳語より、漢字のほうが多くを語ってくれることがよくあるからです。
継承語として日本語を学ぶ人
家では日本語を話すけれど、読むことはきちんと学ばなかった人たちがいます。海外で育った日本の家庭のこどもや、話し言葉とともに育ち、書き言葉から離れてしまった大人です。読める以上にずっと多くを理解している。その差を埋めるのが、辞書つきの読書アプリです。
この方々には「読み上げ」が特別な形で役に立ちます。文を選んで聞けば、すでに知っている話し言葉と、まだ知らない書き言葉がつながります。昔話や童話がなじみのある人も多く、最初の数冊が少し楽になると思います。
通勤する人、旅をする人
読書の多くは、電波の届かない場所で起きます。Niho はそのために作りました。目録も辞書も単語帳もクイズも端末の中にあり、通信が要るのは新しい本のダウンロードだけです。
地下に入る電車も、長いフライトも、何もできない時間ではなく読書の時間になります。通勤中の1日10分は、1年たつと驚くほどの冊数になります。
日本語を教えている人
小さな集まりですが、触れておきます。日本語を教えていて、学生に本物の文章を読ませたいなら、青空文庫は自然な選択肢で、Niho はそれを辞書つきで手渡すひとつの方法です。学生が引いた語は、それぞれの単語帳に、出てきた文と一緒に残ります。ただし教師用の画面やクラスの機能はないので、共有はアプリの外で行うことになります。
まだ早い人
はっきりさせておきます。これから始める方で、まだひらがなが読めないなら、Niho は早すぎます。仮名や基礎文法は教えません。表示言語は16言語から選べますが、辞書の語義は JMdict の英語なので、ある程度の英語は実際上必要です。通信があれば「翻訳」で Google 翻訳に送り、自分の言語で確かめることはできます。また本文は横書きで、もとの本のような縦書きではありません。日本文学を読む人なら気づかれると思います。
あなたの出発点
どれに当てはまるとしても、最初の夜は同じです。「探す」を開き、「はじめの一冊」のいちばん上から一冊選び、1ページ目を読む。始め方ガイドがその手順を、他の読み方との比較がほかの選択肢との違いを、毎日の読書のヒントが日々の使い方を説明しています。関連記事はNiho タグにまとめてあります。
Niho は無料で、広告もアカウントもありません。合うかどうかを確かめるのにかかるのは、一晩だけです。
