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筆算のやり方を家で教える:位をそろえるところから

Hiroki ObaraHiroki Obara · DeveloperMathCal使い方
筆算のやり方を家で教える:位をそろえるところから

たし算とひき算の筆算は、小学2年生で習います。学習指導要領(平成29年告示)の第2学年には、2けたのたし算・ひき算の計算ができることと、その筆算の仕方を理解することが書かれています。3けたの簡単な場合もここで扱い、3年生で3けた・4けたの筆算に広がります(文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」)。

筆算は、計算のしかたというより、書き方の決まりです。決まりどおりに書けば、けたが増えても同じ手順で答えが出ます。逆に、書き方がくずれると、計算そのものは合っていても答えがまちがいます。この記事では、家で筆算を教えるときの順番を、位をそろえるところから書きます。

1. 位をそろえて書く

筆算で最初に、そして一番大事なのは、位をそろえて書くことだと私は考えています。一の位の下に一の位、十の位の下に十の位。右端でそろえます。

自作の例です。34+5 を筆算に書くとき、5 を 3 の下に書いてしまうことがあります。

まちがい

   3 4
 +5
 ___
   8 4

正しい

   3 4
 +  5
 ___
   3 9

左の書き方では、5 を十の位に足してしまい、答えが 84 になります。正しくは、5 は一の位なので 4 の下に書き、答えは 39 です。

こどもは文字を左から書くので、数字も左にそろえたくなります。2けたと1けたの組み合わせは、この左そろえが一番起きやすい所です。「数字は右の端でそろえる」と、最初に言葉で決めておくとよいと思います。

2. マス目を使う

位をそろえる練習には、マス目のあるノートがいちばん役に立つと思います。1マスに数字を1つ書く、と決めれば、縦の列がそのまま位になります。

マス目がないと、数字の大きさや間隔がばらばらになって、縦の列が少しずつ斜めにずれていきます。けたが少ないうちはずれても答えは出ますが、3けた、4けたになると、どの数字がどの位なのか分からなくなります。

いつまでマス目を使うかは、こどもに合わせればよいと思います。マス目なしでも縦の列がまっすぐ書けるようになったら、ふつうのノートに移ればよいと私は考えています。

3. 線を引いて、一の位から計算する

位をそろえて書いたら、横に線を引きます。線の下が答えを書く場所です。

計算は、一の位から始めます。右から左です。ここも、文字を読む向きと逆なので、こどもは十の位から計算したくなることがあります。繰り上がりがない問題なら、十の位から計算しても答えは合います。けれども繰り上がりがあると、十の位を先に書いてしまったあとで直すことになります。最初から「一の位から」を習慣にするほうがよいと思います。

4. 繰り上がりの1を書く

自作の例で、47+38 を計算します。

   1
   4 7
 +3 8
 ___
   8 5
  1. 一の位:7+8=15。一の位に 5 を書き、十の位に 1 を繰り上げる
  2. 十の位:4+3=7。繰り上げた 1 を足して 8
  3. 答えは 85

繰り上がりの 1 をどこに書くかには、いくつかの流儀があります。十の位の数字の上に小さく書く、線のすぐ上に書く、などです。学校の教科書や先生によっても違います。私は、どこに書くかよりも、毎回同じ場所に書くことのほうが大事だと考えています。学校で教わった書き方があれば、家でもそれに合わせるのがよいと思います。

よくある間違いは、この 1 を足し忘れることです。上の例で足し忘れると、答えは 75 になります。書いた 1 を、十の位を足すときに指でさしてから計算する、という手順にすると忘れにくくなります。

5. 繰り下がりは、上の数からとなりの位に借りる

ひき算の筆算で一番多い間違いは、上と下を入れかえてひいてしまうことだと思います。

自作の例で、52-37 を計算します。

まちがい

   5 2
 -3 7
 ___
   2 5

正しい

   4
   5 2
 -3 7
 ___
   1 5

一の位は 2-7 です。2 から 7 はひけないので、こどもは 7-2=5 としてしまうことがあります。筆算のひき算は、いつでも上の数から下の数をひきます。

正しい手順はこうです。

  1. 一の位:2 から 7 はひけないので、十の位から 10 をもらう。十の位の 5 を消して 4 と書く
  2. 一の位は 12 になる。12-7=5
  3. 十の位:4-3=1
  4. 答えは 15

上下を入れかえる間違いに気づくには、答えの見当をつけるのが一番だと思います。52-37 は、50-40 くらいなので、答えは 10 と少し。25 はおかしい、と自分で気づけます。

3年生になると、302-127 のように、十の位が 0 で借りられない問題が出てきます。百の位から十の位に借り、その十の位から一の位に借りる、と2回続けて繰り下がります。ここでつまずいたら、2けたの繰り下がりに戻ると整理しやすいと思います。繰り上がり・繰り下がりの考え方そのものは 繰り上がり・繰り下がりの教え方 に書きました。

6. 答えをたしかめる

筆算の答えが出たら、たしかめの方法が二つあります。

一つは、上に書いた見当と比べることです。もう一つは、ひき算ならたし算で戻すことです。52-37=15 なら、15+37 を計算して 52 になれば合っています。教科書でも、ひき算の答えをたし算でたしかめる方法を扱います。

毎回たしかめる必要はないと思いますが、まちがいが続くときには、この二つを入れると、どこでまちがえたかが分かりやすくなります。

家で教えるときの順番

まとめると、私はこの順番がよいと考えています。

  1. 繰り上がりのない2けた+1けた、2けた+2けたで、位をそろえて書くことだけを練習する
  2. 繰り上がりのあるたし算
  3. 繰り下がりのないひき算
  4. 繰り下がりのあるひき算

1 の段階では、答えがすぐ暗算できる問題でかまいません。書き方を覚えることが目的だからです。書き方が身についてから、繰り上がりや繰り下がりのある問題に進みます。なぜ「10 もらう」のかが分からないときは、10円玉と1円玉で 52円を並べて、10円玉を1枚くずして1円玉10枚にする、という具体物に戻るとよいと思います。

マスカル算数の筆算ドリル

マスカル算数は、答えを画面に手書きして解く計算ドリルのアプリで、私が作っています。

「筆算ドリル」では、1けたから5けたまでのたし算・ひき算の筆算を、位をそろえた形で解きます。答えは1マスに1文字ずつ手書きします。Xの桁数とYの桁数を選べるので、2年生なら2けたと1けた、2けたと2けたから始められます。読み取った数字はマスの端に小さく表示され、読めなかったマスは色が変わります。すべてのマスが読めるまで「答え合わせ」は押せないので、書き残しがあれば気づけます。答えのマスのほかにも、問題の上に自由に書き込めるので、繰り上がりの1のメモも書けます。

筆算ドリルは縦向きの画面で使います。「縦に書いていくものだから縦長じゃないといけない」というのが、私がそう決めた理由です。また、マスの読み取りや答え合わせのしかたは、私の娘が使っているところを見て、問題のあったところを直してきました。

書き方を目で見たいときは、「足し算の筆算」「引き算の筆算」のレッスンがあります。右そろえに並んだ式の、いま計算している列が光り、タップするたびに一列ずつ答えが出てきます。繰り上がりの1や繰り下がりの印も小さく描かれます。私は、理解と鍛錬を両輪で回すのがよいと考えていて、レッスンで手順を見て、ドリルで手を動かす、という使い方を想定しています。

ホームの「今日のドリル」「今日のチャレンジ」「今日のレッスン」は毎日無料です。ドリルやレッスンを一覧から選んで使うには、買いきりのアンロック(1,500円)が必要です。広告はありません。1年生から6年生までに習う計算の全体は 小学校で習う計算の一覧 に書きました。

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