将棋の駒の動き:覚える順番と覚え方

将棋の駒は、一人20枚、二人で40枚です。種類は8つで、玉(王)、飛車、角行、金将、銀将、桂馬、香車、歩兵があります。このうち6種類は、敵陣に入ると「成って」動きが変わります。将棋を始めるとき、最初の壁になるのはこの駒の動きだと思います。
この記事では、駒の動きを、私が覚えやすいと思う順番に並べて書きます。動きの確認には、日本将棋連盟の対局規則の「駒の動き方」を使いました。
将棋の駒はどれも、自分から見て「前」が相手の陣地の方向です。駒の文字の向きで、どちらの駒かが分かります。
1. 玉と歩:いちばん単純な二つ
玉(王): 周りの8マスのどこへでも1マス動けます。玉将と王将の2種類の書き方がありますが、動きは同じです。この駒を詰まされたら負けなので、最初に覚えます。
歩: 前に1マスだけ進めます。後ろにも横にも動けません。各自9枚あり、いちばん数の多い駒です。
チェスのポーンと違い、将棋の歩は、まっすぐ前のマスにいる駒を取ります。斜めには取れません。チェスを知っている人ほど間違えやすいところです。
2. 飛車と角:まっすぐと斜め
次は、大きく動く二つの駒です。動きが単純なので、早めに覚えると対局らしくなります。
飛車: 縦と横に、何マスでも進めます。途中に駒があれば、そこで止まります。
角: 斜めの4方向に、何マスでも進めます。
飛車は十字、角はバツ印、と形で覚えるのがいちばん速いと思います。どちらも、途中の駒を飛び越えることはできません。
3. 香車:前にだけ進む飛車
香車: 前にだけ、何マスでも進めます。後ろや横には動けません。
飛車の動きを覚えたあとなら、「前にしか行けない飛車」で一度に覚えられます。前に進むしかないので、一度進めると戻れない、というのが特徴です。
4. 金と銀:いちばん混乱しやすい二つ
金と銀は、どちらも1マスずつ動く駒で、形も似ているため、初心者がいちばん取り違えやすい組み合わせだと思います。
金: 前、斜め前の2マス、横の2マス、真後ろの6方向に動けます。動けないのは、斜め後ろの2マスです。
銀: 前と、斜めの4方向の5方向に動けます。動けないのは、横の2マスと真後ろです。
私が勧める覚え方は、「動けないマス」で覚えることです。金は「斜め後ろに行けない」、銀は「横と真後ろに行けない」。動けるマスを数えるより、穴の場所を覚えるほうが短くて済みます。
もうひとつの手がかりは、成ったあとの動きです。後で書くとおり、銀・桂・香・歩は成ると金と同じ動きになります。金の動きを正確に覚えておくと、成った駒の動きもまとめて分かるので、金は特にしっかり覚える価値があると思います。
5. 桂馬:跳ぶ駒
桂馬: 2マス前の、左右どちらかのマスに跳びます。行き先は2か所だけです。途中に駒があっても飛び越えられる、将棋で唯一の駒です。後ろや横には動けません。
チェスのナイトに似ていますが、ナイトは8方向に跳べるのに対し、桂馬は前の2か所だけです。桂馬は最後に覚えると、ほかの駒との違いがはっきりして混乱しにくいと思います。
成ったあとの動き
自分の駒が、相手の陣地(相手側の3段)に入るとき、その中で動くとき、そこから出るときに、駒を裏返して「成る」ことができます。成るかどうかは選べますが、そのままでは次に動けなくなる場合(いちばん奥の段の歩と香、奥から2段の桂)は、必ず成ります。玉と金は成りません。
成った駒の動きは、二つのグループに分けると覚えやすくなります。
飛車と角は、もとの動きに1マスが足されます。
- 竜王(竜):飛車の動きに、斜め4方向へ1マスが加わります
- 竜馬(馬):角の動きに、縦横4方向へ1マスが加わります
銀・桂・香・歩は、すべて金と同じ動きになります。
- 成銀、成桂、成香、と金(歩が成ったもの)
成った駒が相手に取られると、もとの駒に戻って相手の持ち駒になります。と金を取っても、相手の手に入るのは歩1枚です。
こどもに教えるときの順番
こどもに教えるときは、全部の駒を一度に並べないほうが続きやすいと思います。私が勧めたいのは、次のような進め方です。
- 玉と歩だけで遊びます。歩で相手の玉に近づく、というだけでも、取る・取られるの感覚がつかめます。
- 飛車と角を足します。動きが大きいので、盤の上で何が起きているかが見えやすくなります。
- 香、金、銀、桂の順に足していきます。
- 全部の駒がそろったら、成りを教えます。
駒を一つ足すたびに、その駒だけを盤に置いて、「どこへ行ける?」と指で示してもらうと、覚えたかどうかがすぐ分かります。
最初から9×9の盤で始めるのが大変なら、どうぶつしょうぎから入る方法もあります。Wikipedia「どうぶつしょうぎ」 によれば、女流棋士の北尾まどかさんがルールを考え、藤田麻衣子さんが駒をデザインしたゲームで、2008年に発表されました。3×4マスの盤に、ライオン(玉と同じ動き)、きりん(縦横に1マス)、ぞう(斜めに1マス)、ひよこ(前に1マス)の4種類を置きます。ひよこは相手の陣地の端に着くと、にわとり(と金と同じ動き)に成ります。取った駒を使えるなど、将棋の骨組みがそのまま入っているので、本将棋への橋渡しになると思います。
マイスポで動かしながら覚える
StudyX Mindsports(マイスポ)は、将棋・囲碁・チェスを含む12種類の頭脳ゲームを収録したアプリです。将棋の入門レッスンでは、タップで答えるクイズでルールを覚え、実戦の局面で練習します。日本語のレッスンにはふりがなが付いているので、こどもと一緒に進めることもできます。
レッスンを終えたら、Lv.1 から Lv.50 までの CPU と指せます。勝てば1つ上がり、負ければ1つ下がるので、自分で強さを選ばなくても、勝ち負けに合わせて相手が変わります。待ったもできるので、駒の動きを間違えたら戻して確かめられます。ゲームと入門レッスンは無料で、広告が表示されます。上級レッスンは各ゲームの最初の1つが無料で、買い切りのアンロックで残りが開き、広告も消えます。
将棋と囲碁・チェスの違いは 将棋・囲碁・チェスの違い に、マイスポの使い方は マイスポの始め方 に書きました。駒の動きを覚えたあと、詰将棋で終盤を練習したい方には Shogi365 もあります。
