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子どものローマ字入力の覚え方:キーボードで迷う字

Hiroki ObaraHiroki Obara · DeveloperStudyX Japanese Letters Table使い方
子どものローマ字入力の覚え方:キーボードで迷う字

小学校学習指導要領(平成29年告示)の国語では、3年生でローマ字を習います。「内容の取扱い」には、3年生のローマ字の指導では、コンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤となる操作の習得との関連が図られるようにすること、と書かれています。ローマ字は、読み書きだけでなく、キーボードで日本語を打つための道具としても教えられている、ということです。

学校で配られたタブレットやパソコンで、こどもがローマ字入力を始めると、紙に書くローマ字とは違うところで手が止まります。この記事では、キーボードで迷いやすい字と、その打ち方を整理します。打ち方は、Apple のMacの日本語での英字とかなの対応の表にもとづいています。Windows や Chromebook の日本語入力でも、ここで挙げる打ち方はほぼ同じように使えます。

書くローマ字と、打つローマ字

紙に書くローマ字は、読む人に音を伝えるためのものです。打つローマ字は、パソコンにどのかなを出すかを伝えるためのものです。目的が違うので、少し違うところがあります。

うれしい違いもあります。日本語入力は、ヘボン式でも訓令式でも受け付けます。「し」は shi でも si でも、「ち」は chi でも ti でも、「つ」は tsu でも tu でも、「ふ」は fu でも hu でもかまいません。学校で習ったつづりと、駅の看板で見るつづりが違っていても、キーボードではどちらで打っても同じ字が出ます。二つのつづり方についてはローマ字のヘボン式と訓令式の違いにまとめています。

迷いやすい字

「ん」は nn。 「ん」は n を2回打ちます。次に子音が続くときは n 1回でも「ん」になりますが、「きんえん」や「ほんや」のように、すぐあとに母音や y が続くと、n 1回では「きねん」「ほにゃ」になってしまいます。「ん」はいつも nn、と覚えておくと迷いません。

「を」は wo。 紙に書くローマ字では、新しい内閣告示で「を」は o と書きますが、キーボードでは wo と打ちます。o と打つと「お」が出ます。

「ぢ」は di、「づ」は du。 「じ」の ji や zi、「ず」の zu と打つと、「じ」「ず」になります。「はなぢ」や「つづく」を打つときは、ここで迷います。

小さい字は x か l を先に。 「ぁ」は xa か la、「ゃ」は xya か lya のように、x か l を先に打つと、小さい字が出ます。ただし、「きゃ」「しゅ」のような拗音は、kya、shu と続けて打てば、小さい字を別に打たなくても出ます。

小さい「っ」は、次の子音を2回。 「きって」は kitte のように、「っ」のあとの子音を重ねて打ちます。「っ」だけを出したいときは、xtu や ltu と打ちます。

のばす音は「ー」のキー。 カタカナの言葉の「ケーキ」の「ー」は、キーボードのマイナス(-)のキーで打ちます。紙に書くローマ字では、のばす音は母音の上に符号をつけるなどで表すので、ここも違うところです。

「は」「へ」は書いてあるとおり。 「わたしは」の「は」は ha、「がっこうへ」の「へ」は he と打ちます。発音は「わ」「え」でも、打つのは字のとおりです。助詞の書き方は「を」と「お」、「は」と「わ」、「へ」と「え」の使い分けに書きました。

キーボードの字は大文字

もう一つ、こどもが戸惑うのは、キーボードのキーに書かれているアルファベットが大文字だということです。紙に書くローマ字は小文字で書くことが多いので、「a」のキーを探して「A」を押す、という対応が最初は分かりにくいことがあります。

打つ前に、大文字と小文字の組をひととおり見ておくとよいと思います。特に、形の違う組(a と A、b と B、d と D、e と E、g と G、h と H、q と Q、r と R など)は、キーを探すときに迷いやすいところです。

読み書きと入力、どちらを先にするか

私は、ローマ字を読めるようになってから入力に進むのがよいと考えています。打つときには、頭の中で「か」を k と a に分ける必要があります。この分け方は、ローマ字を読むときに身につくものです。

ただ、読み書きを完全に終えてから入力、と分けなくてもよいと思います。学習指導要領も、ローマ字と入力を関連させて教えるように書いています。読めるようになった字から、打ってみる。打ってみて分からない字が出てきたら、ローマ字の表で確かめる。行ったり来たりしながら覚えるほうが自然だと思います。

スマートフォンやタブレットの画面のキーボードでは、ローマ字を使わずにかなを直接選ぶフリック入力もあります。それぞれに便利なところがあります。学校の授業で使うことが多いのは、パソコンやタブレットのキーボードでのローマ字入力だと思うので、家でもそちらに慣れておくと、授業で困りにくいと思います。

家での練習の進め方

私は、練習は1回あたり短くてよいと考えています。指がキーの位置を覚えるには、長い時間を一度にやるより、少しずつ何日も続けるほうが向いているからです。

最初に打つのは、自分の名前がよいと思います。いちばん打つ機会が多く、こども自身が打ちたいと思う言葉です。そのあと、家族の名前、好きな食べ物、住んでいる町の名前と広げます。

打つ前に、言葉を声に出して、一つずつの音に分けてみるのもおすすめです。「き・ん・ぎょ」と分ければ、「ん」で nn、「ぎょ」で gyo、と打ち方が見えてきます。この記事で挙げた「ん」「を」「っ」「ー」が入った言葉は、別に少しずつ練習するとよいと思います。

打ったら、変換してみます。ひらがなが漢字に変わるのを見るのは、こどもにとって楽しいことです。

あいうえおのアプリのローマ字表示を手がかりに

あいうえおのアプリは、タップすると音が鳴る五十音表のアプリです。画面下のボタンで、ひらがな「あ」、カタカナ「ア」、ローマ字の大文字「A」、小文字「a」の4つを切り替えられます。濁音・半濁音・拗音の表もローマ字で見られます。

入力の練習の手がかりとして使うなら、打ちたい字を「あ」の表で探し、同じ場所を「a」に切り替えて、そのつづりを確かめる、という使い方ができます。キーボードのキーは大文字なので、「A」にも切り替えて見比べておくと、キーを探すときの助けになると思います。大文字と小文字を分けた理由を、開発者インタビューで私はこう話しました。

ローマ字には、ひらがなやカタカナとは異なり、大文字と小文字の区別があるというのを自然に知ってもらう機会になればいいなと思って。

つづりはヘボン式で、し shi、ち chi、つ tsu、ふ fu です。「を」は wo と表示しています。インタビューで話したとおり、キーボードで入力するときの書き方に合わせたものです。「ん」は n と表示しているので、入力するときは nn と打つことを、保護者の方が補ってあげてください。「ぢ」「づ」も表では ji、zu と表示しているので、入力の di、du とは違います。小さい「っ」やのばす音は表に入っていません。

アプリにできないところについて、インタビューでは「アプリにできないことは人間が、人間にできないことはアプリが補完し合えばいい」と話しました。キーボードならではの打ち方は、実際に打ちながら、一緒に確かめていただければと思います。

iPhone と iPad で使え、どちらも横向きの画面です。1,500円の買い切りで、広告やアプリ内課金はありません。アプリの画面の文字は日本語です。ローマ字そのものの学び方は小学3年生で習うローマ字に、表の仕組みは五十音表の覚え方に書いています。

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