ナンプレのメモ(候補数字)の書き方

下の問題は、私が作ったナンプレです。手がかりは27個で、答えが1つに決まることはソルバーで確かめてあります。空いているマスは54。この54マスに、入る可能性のある数字を全部書き出すと、候補は209個になります。
・ ・ ・ | ・ 2 ・ | ・ ・ 1
9 5 ・ | 1 3 8 | ・ ・ ・
・ ・ 6 | ・ ・ 9 | ・ ・ 4
・ ・ ・ | ・ ・ ・ | 3 ・ ・
8 ・ ・ | 4 ・ 3 | ・ ・ ・
・ ・ 3 | 2 ・ ・ | ・ 8 5
1 ・ ・ | 8 ・ ・ | ・ 6 ・
6 ・ ・ | 3 9 ・ | 5 4 ・
・ ・ ・ | ・ ・ ・ | ・ 1 ・
209個を最初から全部書くのは、紙ではかなりの手間です。一方で、この問題は、メモを書かずに進められる手筋だけでは最後まで解けません。メモを書かない手筋で進めると、81マスのうち51マスまでは埋まりますが、そこで止まります。そのとき残っている30マスの候補は、全部で82個です。
メモはいつ、どこに、どう書けばよいのか。この記事では、その書き方を順に説明します。言葉は前の記事と同じく、横の並びを「行」、縦の並びを「列」、3×3の太枠を「ブロック」と呼びます。
メモとは
メモは、空いているマスに、そこに入る可能性のある数字を小さく書いておくことです。「候補数字」とも呼ばれます。答えを書くのではなく、まだ決まっていないことを、決まっていないまま書き留めておくためのものです。
あるマスの候補は、そのマスと同じ行、同じ列、同じブロックにすでにある数字を、1から9から除いた残りです。
いつ書きはじめるか
私は、メモを書かずに進められるだけ進めてから、手が止まった所で書きはじめるのがよいと考えています。上の問題で言えば、51マス埋まった所から書きはじめると、書く候補は209個ではなく82個で済みます。
メモを書かずに進める手筋は、ナンプレ(数独)の解き方:初心者が最初に覚える基本の手筋の1から3です。かんたんな問題なら、メモを書かずに最後まで解けることもあります。
全部書くか、必要な所だけ書くか
メモの書き方には、大きく分けて二つの考え方があります。
全部のマスに書く。 空いているマスすべてに、候補を全部書きます。手間はかかりますが、書き終えれば盤面の情報がすべて目に見える形になります。むずかしい問題で、候補どうしの関係を使う手筋が必要になるときは、この形が強いと思います。ただ、書き間違いが1つあると、その先の判断が全部くずれます。
必要な所だけ書く。 空きの少ないブロックや行など、決まりそうな所だけに候補を書きます。書く量が少ないので、間違いも少なくなります。もっと軽い方法として、ブロックの中で、ある数字が入れる場所が2か所に絞れたときだけ、その2か所にその数字を書く、という書き方もあります。
私は、手が止まった時点で、空きの少ないブロックから必要な所だけ書き、それでも進まなくなったら全部のマスに広げるのがよいと思います。
1つのブロックで書いてみる
上の問題の、上の真ん中のブロックで書いてみます。空いているのは4マスです。
567 | 2 | 4567
1 | 3 | 8
57 | 57 | 9
1行目の4列目は、ブロックにある1、2、3、8、9と、同じ列にある4を除くと、5、6、7が残ります。同じように数えると、1行目の6列目は4、5、6、7、3行目の4列目と5列目は、どちらも5と7になります。
書いてみると、二つのことが一目で分かります。まず、4はこのブロックで1行目の6列目にしかありません。だから4はそこに決まります。次に、3行目の2マスは、どちらも「5と7」だけです。5と7はこの2マスで使い切るので、1行目の4列目から5と7が消えて、6が残ります。
このブロックは、メモなしでも、よく見れば決められます。ただ、メモを書くと、何を見ればよいかが紙の上に出てきます。メモの役割は、頭の中に置いておくものを減らすことだと私は考えています。
書く位置を決めておく
紙で書くときは、数字ごとにマスの中の位置を決めておくと読みやすくなります。マスを3×3の小さな升目に見立てて、1は左上、2は上の真ん中、3は右上、と電話のボタンのように並べ、9を右下に置く書き方です。こうしておくと、ある数字のメモがどこにあるかを、盤面全体から探しやすくなります。
鉛筆で、答えの数字よりはっきり小さく書きます。答えとメモが同じ大きさだと、どちらがどちらか分からなくなります。
消し方
メモでいちばん間違いが起きやすいのは、消すときです。
数字を1つ決めたら、その数字を、同じ行、同じ列、同じブロックのメモから消します。3つの方向を、毎回同じ順番で見るようにすると、消し忘れが減ります。
もう一つ、消しすぎにも注意します。本当は入る数字をメモから消すと、正しい答えが盤面から見えなくなります。消してよいのは、理由をはっきり言えるときだけです。メモの間違いの見つけ方はナンプレで行き詰まったときの見直し方に書きました。
Sudoku365 のメモ
Sudoku365 は、私が作っているナンプレのアプリです。iPhone、iPad、Android で遊べます。メモの機能は次のように動きます。
書き方。 画面の「メモ OFF」を押すと「メモ ON」に変わります。ON の間は、数字ボタンを押すと、選んでいるマスにその数字のメモが書かれます。同じ数字をもう一度押すと消えます。メモは、上に書いたのと同じく、マスの中の3×3の位置に、1を左上、9を右下として並びます。
自動で消える。 設定の「メモから数字を消す」(初期はオン)にしておくと、正しい数字を置いたとき、同じ行・列・ブロックのマスから同じ数字のメモが自動で消えます。消し忘れが起きないので、紙より気が楽です。また、この設定にかかわらず、数字を置いたマス自体のメモは消えます。
自動では書かれない。 全部のマスに候補を自動で書き込む機能はありません。メモは自分で書きます。どこに書くかを自分で決めることが、メモの練習そのものだと私は考えています。
戻せる。 メモの書き込みも、「もどす」で1つずつ戻せます。数字を置いたときに自動で消えたメモも、もどすで元に戻ります。
「ふたりであそぶ」の「協力」では、1つの盤面を2人で埋めます。確定した数字もメモも2人で共有され、協力中は「メモから数字を消す」が常にオンになります。
「かんたん」「ふつう」「むずかしい」「エキスパート」の4つの難易度に300問ずつ、計1200問が入っています。「かんたん」の300問は、どれもメモを書かない手筋だけで最後まで解けます。メモの練習をするなら「ふつう」からがよいと思います。
アプリは無料で、広告が入ります。「広告を削除」の買い切り(300円)で広告を消せます。最初の一問の始め方はSudoku365 の始め方に書きました。
メモは、答えを書く場所ではなく、まだ分からないことを整理する場所です。書く量は少なくても、正しく書いて、正しく消す。それだけで、止まっていた盤面が動きはじめることがあります。
