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CAE(C1 Advanced)の対策:上級の試験で求められる力

Hiroki ObaraHiroki Obara · DeveloperAlphaGeorge使い方
CAE(C1 Advanced)の対策:上級の試験で求められる力

C1 Advanced(CAE)は、CEFR の C1 を狙って作られたケンブリッジ英検の試験です。試験は「Reading and Use of English」「Writing」「Listening」「Speaking」の4つのペーパーからなり、全体でおよそ4時間かかります。紙の試験とデジタルの試験があり、形式は同じです(C1 Advanced の公式ページ)。

公式ページには、C1 Advanced を持っていることで、大学の授業についていける、仕事で管理職や専門職のレベルでやりとりできる、と示せると書かれています。ケンブリッジ英検の5つの試験のうち、上から二つめにあたります。

一つ下の B2 First(FCE)の形式はFCE(B2 First)の対策に書きました。この記事では、FCE との違いを中心に、CAE で求められる力と勉強の順番を書きます。数字はすべて2026年10月に、公式サイトと教師用ハンドブックで確認したものです。

FCE から変わること

B2 First(FCE) C1 Advanced(CAE)
全体の時間 約3時間半 約4時間
Reading and Use of English 1時間15分、7パート、52問 1時間30分、8パート、56問
読む量 2,200〜2,500語 3,000〜3,500語
作文 140〜190語の2題 220〜260語の2題
Speaking ペアで14分 ペアで15分

表にすると、時間と量が少しずつ増えただけに見えます。私がいちばん大きいと思う違いは、数字に出ないところにあります。CAE では、文章に書いてあることだけでなく、書き手がどういう態度で、何を言外に言っているかを読み取ることが求められます。

ハンドブックは、Reading の Part 5 について、意見や態度、推論、文体を読み取る力を試すと書いています。新しく加わる Part 6 は、同じテーマについての短い文章4つを読み比べ、どの書き手とどの書き手の意見が一致し、どれが食い違うかを答える問題です。問題文には意見の「話題」しか書かれておらず、意見そのものは自分で見つける必要があります。

書く量も大きく変わります。FCE の作文は140〜190語でしたが、CAE は2題とも220〜260語です。作文の種類には、FCE になかった「proposal」(提案書)が加わります。

Cambridge English が示す指導時間の目安(Guided learning hours)では、ゼロからの累計で B2 First が約500〜600時間、C1 Advanced が約700〜800時間です。

試験の形式

公式の試験形式のページとハンドブックの内容をまとめます。

ペーパー 時間 構成
Reading and Use of English 1時間30分 8パート、56問
Writing 1時間30分 2パート、2題
Listening 約40分 4パート、30問
Speaking ペアで15分、3人のグループで23分 4パート

Reading and Use of English

Part 1 から 4 が Use of English、Part 5 から 8 が Reading です。

  • Part 1: 文章の空所に合う語句を4択で選ぶ(8問)。コロケーション、慣用句、句動詞、意味の微妙な違いが問われる
  • Part 2: 文章の空所に1語ずつ書き入れる(8問)
  • Part 3: 示された語の形を変えて空所に入れる(8問)
  • Part 4: 与えられた語を使い、3〜6語で文を書き換える(6問、各2点まで)
  • Part 5: 長めの文章の内容や書き手の意見、態度を4択で答える(6問、各2点)
  • Part 6: 短い文章4つを読み比べ、書き手の意見の一致と食い違いを答える(4問、各2点)
  • Part 7: 文章から抜かれた段落を元の場所に戻す(6問、各2点)
  • Part 8: 一つまたは複数の文章から、質問に当てはまる箇所を探す(10問)

FCE の Part 4 は2〜5語の書き換えでしたが、CAE では3〜6語になります。FCE の Part 6 は抜かれた「文」を戻す問題でしたが、CAE の Part 7 で戻すのは「段落」です。

Writing

  • Part 1: 必ず書くエッセイ(220〜260語)。セミナーやドキュメンタリーのあとに書く、という設定で、3つの観点のうち2つを選び、どちらがより重要かを理由とともに述べる
  • Part 2: 3つの課題から1つを選んで書く(220〜260語)。手紙・メール、提案書、レポート、レビューのどれか

Listening

すべての音声は2回流れます。

  • Part 1: 短い会話3つを聞き、それぞれ2問ずつ3択で答える(6問)
  • Part 2: 約3分の独話を聞き、文の空所を埋める(8問)
  • Part 3: 約4分の会話を聞き、4択で答える(6問)
  • Part 4: 同じテーマについての30秒ほどの独話5つを聞き、二つの課題でそれぞれ8つの選択肢から選ぶ(10問)

Speaking

試験官は2人で、1人が進行し、もう1人は聞く役です。

  • Part 1: 試験官の質問に答える(約2分)
  • Part 2: 3枚の写真から2枚を選び、1分間一人で話す。相手の話には30秒ほどでコメントする
  • Part 3: 示された話題について相手と2分話し合い、1分で一つに決める
  • Part 4: Part 3 の話題について、さらに話し合う(約5分)

結果の出方

成績表には Reading、Use of English、Writing、Listening、Speaking の5つのスコアが載り、全体のスコアはその平均です。ハンドブックによると、次のように認定されます。

スコア 結果
200〜210 グレード A、C2 として認定
180〜199 グレード B または C、C1
160〜179 B2 として認定

スコアの見方はCambridge English Scaleとはに書きました。

ライティングで求められる力

ここからは私の考えです。

CAE のライティングでは、「誰に向けて書くか」に合わせて書き方を変える力が求められると思います。ハンドブックには、Part 2 の課題には必ず、場面、書く目的、読み手が示されていると書かれています。読み手は新聞の編集者のこともあれば、会社の上司や学校の校長、仲間のこともあります。同じ話題でも、上司に出す提案書と、仲間に向けたメールでは、言葉の選び方が変わります。

Part 1 のエッセイでは、3つの観点を全部扱わず、2つを選ぶことが大事です。ハンドブックは、3つ以上を扱うと一つ一つの議論が浅くなると注意しています。課題文にある意見を使ってもかまいませんが、課題文の言葉をそのまま写した部分は評価されません。

語数についても、ハンドブックははっきり書いています。220〜260語より大きく少なければ課題を果たしていない可能性が高く、大きく多ければ関係のない内容や繰り返しが入っている可能性が高い、というものです。試験中に語数を数えるのは時間の無駄なので、この長さを手で覚えておくように、とも書かれています。

スピーキングで求められる力

Part 2 の写真の説明は、FCE では2枚の写真を比べるものでしたが、CAE では3枚から2枚を選びます。写真の上に書かれた問いに答えながら、比べたり、推測したりして1分間話します。写っているものを並べるだけでは足りず、「この人はたぶんこう感じている」と推し量ることが求められます。

Part 3 と Part 4 は、相手との話し合いです。意見を言うだけでなく、相手の意見に賛成したり反対したりしながら、一つの結論に向かう話し方が求められます。

上級の語彙をどう増やすか

Part 1 で問われるのは、単語の意味そのものより、どの語とどの語が一緒に使われるか(コロケーション)や、似た語の意味の違いです。ハンドブックは、新しい語を記録するときに、後ろにどの前置詞が来るか、動名詞と不定詞のどちらを取るか、どの語と組むかまで書き留めるよう勧めています。

私は、上級の語彙は単語帳だけでは増えにくいと考えています。ハンドブックも、授業でも家でも、できるだけ幅広く読むことを勧めています。新聞や雑誌の論説、書評、インタビューのように、書き手の意見や態度がはっきり出る文章を読むことは、Part 5 と Part 6 の練習にもなります。読んだ文章で出会った語を、出会った文ごと残しておくと、コロケーションも一緒に覚えられると思います。どのくらいの語彙があれば本が読めるかの目安は洋書を読むには英単語がいくつ必要かに書きました。

勉強の順番

  1. 公式サイトの準備のページにあるサンプル問題を、時間を計って一度通して解きます。FCE との差がどこで大きいかは、人によって違います。
  2. ライティングは最初の週から始めます。エッセイと、提案書・レポート・レビュー・手紙の4つの形を一通り書いてみます。本番では、どの形が出るかは分かりません。
  3. Reading and Use of English は、Part 1 から 4 の語彙と文法を毎日少しずつ。Part 5 と 6 は、答えの根拠になる箇所に線を引いてから選択肢を見る練習をします。
  4. スピーキングは、写真を3枚用意して2枚を選び、1分で比べる練習を、時間を計って続けます。

留学や仕事での使われ方

公式ページには、世界の11,000以上の教育機関、企業、政府機関が C1 Advanced を認めていると書かれています。ケンブリッジ大学の学部入試の例など、大学での使われ方は大学入試と留学でのケンブリッジ英検の使われ方にまとめました。必要なスコアは大学や学部ごとに違うので、出願先の案内で確かめてください。

AlphaGeorge で CAE に備える

私が作っている iPhone・iPad 用の AlphaGeorge は、ケンブリッジ英検の準備のためのアプリです。コースは A1 から C2 の6レベル、合計66ユニットで、C1 Advanced(上級)の10ユニットが C1 Advanced(CAE)に対応しています。最初の約5分の診断テストで、どのレベルから始めるかが決まります。

各ユニットには「文法とリーディング」「語彙」「日常英会話」「ライティング」「スピーキング」のレッスンと、復習、理解度チェックがあります。B2 以上のレベルには、Use of English の Part 3 と Part 4 と同じ形の、語形変化と書き換えの問題が出てきます。各レベルの中間テストと総合テストでは、CEFR ごとの到達度がレポートで分かります。

アプリのライティングのレッスンは、220〜260語の作文を採点するものではありません。作文は公式のサンプル問題で書き、できれば先生に見てもらってください。問題はすべてこのアプリのために作ったもので、Cambridge University Press & Assessment の出版物ではありません。

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