あまりのあるわり算の教え方

小学3年生の算数では、わり算を習います。最初は 12÷3 のように割り切れる計算で、そのあと 13÷4=3あまり1 のような、あまりのあるわり算が出てきます。
小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編では、3年生の内容に「除法の意味について理解し,それが用いられる場合について知ること。また,余りについて知ること。」とあります。この記事では、解説の説明を読みながら、家でどう手伝えばよいかを書きます。
解説の 13÷4
解説は、13枚のカードを1人に4枚ずつ配る場面と、13枚のカードを4人に同じ枚数ずつ分ける場面を例にしています。13÷4 は、4×□ や □×4 が13以下で13にいちばん近くなるときの整数□と、そのときのあまりを求めることだ、と説明しています。そして、そのときのあまりの大きさは、わる数よりも小さくならなければならない、と書いています。
つまり、あまりのあるわり算でこどもが身につけることは、三つあると思います。
- 九九を使って、わられる数をこえない一番大きい数を見つける
- 残りを、あまりとして出す
- あまりが、わる数より小さいことを確かめる
おはじきで分けてみる
最初は、具体物で分けるのがいちばんだと思います。おはじきやお菓子を13こ用意して、4人に同じ数ずつ配ります。
1人に1こずつ配ると、4こ使います。もう一回配ると、8こ。もう一回で12こ。残りは1こです。4人に配るには足りないので、配るのはここで終わりです。1人分は3こで、1こあまります。
もう一つの分け方もやってみます。13こを4こずつ袋に入れていきます。3袋できて、1こ残ります。
解説では、前の分け方を等分除、あとの分け方を包含除と呼んでいます。どちらも式は 13÷4 で、答えは「3あまり1」です。ただ、答えの意味は違います。前は「1人分が3こで、1こあまる」、あとは「3袋できて、1こあまる」です。この違いが、あとで文章題のあまりを考えるときに効いてきます。
あまりが、わる数より小さい理由
こどもがよく書く間違いに、13÷4=2あまり5 があります。4×2+5=13 なので、計算としては合っているように見えます。
けれど、おはじきで考えると、すぐおかしいと分かります。5こ残っているなら、4人にもう1こずつ配れます。配れるのに配っていない、ということです。
私は、この理由を言葉で教えるより、おはじきで一度やってみせるほうが伝わると考えています。「あまりが4こ以上あったら、もう1回配れるよね」と、手を動かしながら言う。そうすると、「あまりは、わる数より小さい」という決まりが、覚えることではなく、当たり前のことになります。
商の見つけ方
おはじきなしで計算するときは、わる数の段の九九を使います。13÷4 なら、4の段を唱えます。
- 4×1=4
- 4×2=8
- 4×3=12
- 4×4=16
16は13をこえるので、使えるのは 4×3=12 までです。商は3。13から12をひいて、あまりは1です。
解説も、48÷6 や 13÷4 を「乗法九九を1回用いて商を求めることができる計算」と説明しています。あまりのあるわり算でつまずくこどもの多くは、わり算ではなく、九九の逆引きが速く出てこないことだと思います。「4の段で、13に一番近いのは」とすぐに出てこないなら、まず割り切れるわり算と九九に戻って練習するのがよいと思います。九九の覚え方は 九九の覚え方 に書きました。
たしかめ算
わり算の答えは、かけ算とたし算で確かめられます。
わる数 × 商 + あまり = わられる数
13÷4=3あまり1 なら、4×3+1=13 で、合っています。解説では、3年生で、商とわる数の積がわられる数になるかどうかで計算を確かめられることを指導し、4年生で、この式の形として「(被除数)=(除数)×(商)+(余り)」を学ぶと書かれています。そこでも、あまりがわる数より小さいことに注意する、とあります。
たしかめ算には、二つの確認がいります。式の答えがわられる数になるか。それから、あまりがわる数より小さいか。13÷4=2あまり5 は、一つめの確認は通りますが、二つめで引っかかります。両方を確かめる習慣をつけておくと、4年生の筆算でも役に立つと思います。
文章題のあまり
解説には、もう一つ大事な例があります。38人の子どもが、4人ずつ長椅子に座る場面です。38÷4=9あまり2。けれど、答えは9脚ではありません。あまりの2人が座る椅子も必要なので、10脚です。
反対に、「38枚のカードを1人に4枚ずつ配ると、何人に配れるか」なら、答えは9人で、2枚は配れずに残ります。
同じ 38÷4 でも、あまりを切り捨てるか、商に1をたすかは、場面によって変わります。解説は、商をそのまま答えにできない場合があり、日常生活の場面に即してより適切な答えを考える必要がある、と書いています。
私は、こどもが文章題のあまりで迷ったら、絵を描くように声をかけるのがよいと考えています。長椅子を描いて、4人ずつ座らせていくと、2人が立ったままになる。それを見れば、もう1脚いることは、説明しなくても分かります。
書き方
答えは「13÷4=3あまり1」のように、商のあとに「あまり」と書いてあまりの数を続けます。わり算の答えは一つの数ではなく、商とあまりの二つの数の組だということを、書き方からも意識できるとよいと思います。
あまりのあるわり算は、4年生でわる数が2桁になったり、筆算になったりしても、考え方は変わりません。九九で商を立て、残りをあまりとし、あまりがわる数より小さいことを確かめる。筆算の基本になる位のそろえ方は 筆算のやり方を家で教える に書きました。
マスカル算数でできること
マスカル算数は、答えを画面に手書きして解く計算ドリルのアプリで、私が作っています。
わり算の土台には「1ケタ計算ドリル」が使えます。たし算・ひき算・かけ算を出さない設定にすると、わり算だけが出ます。このドリルのわり算は割り切れる問題なので、九九の逆引きを速くする練習になります。
あまりのある問題は「筆算ドリル(割り算)」で練習できます。わられる数とわる数の桁数をそれぞれ1〜3桁で選べて、答えは「商」と「あまり」のマスに手書きします。採点するのは商とあまりのマスだけで、途中の計算はマス目に自由に書けます。開発者インタビューで、途中式を採点しない理由を聞かれたとき、私は「快適さが失われるからです」と答えました。書くところは書きやすく、見るところは答えだけ、という形にしています。
レッスンには、ビーズを同じ数ずつ分けて割り算を学ぶ「割り算ビーズ」と、筆算の手順をたどる「割り算の筆算」があります。「割り算の筆算」であまりが出る問題では、最後に、わる数と商をかけてあまりをたす、たしかめの式が表示されます。
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