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五十音表の「行」と「段」:母音と子音で見るひらがな

Hiroki ObaraHiroki Obara · DeveloperStudyX Japanese Letters Table使い方
五十音表の「行」と「段」:母音と子音で見るひらがな

五十音表は、「あ行」から「わ行」までの10の行と、「あ段」から「お段」までの5つの段でできています。行は同じ子音の字の並び、段は同じ母音の字の並びです。「か行」は「かきくけこ」、「あ段」は「あかさたなはまやらわ」です。

言葉にすると簡単ですが、こどもに聞くと、どちらが行でどちらが段か、意外と混ざっています。この記事では、混乱しやすいところと、ローマ字と並べると見えてくる仕組み、そしてこの知識がのちにどこで役立つかを書きます。表の覚え方そのものは五十音表の覚え方にまとめました。

混乱しやすいのは「向き」

私は、こどもが行と段を取り違える一番の原因は、表の向きだと考えています。

縦書きの五十音表では、「あいうえお」が縦に並び、右端の列が「あ行」です。行は縦の列になります。ところが、横書きの五十音表では、「あいうえお」が横に並び、行は横の並びになります。同じ「あ行」が、表によって縦にも横にもなるのです。

ふだんの言葉では、「行」は文章の一行のことです。横書きのノートなら横、縦書きの国語の教科書なら縦です。これも、向きで覚えようとすると混乱するもとになります。

ですから、行と段は向きではなく、中身で覚えるのがよいと思います。

  • 行は、同じ子音の仲間。「か行」なら、どれも「か」の音で始まる字。
  • 段は、同じ母音の仲間。「い段」なら、どれも「い」の音で終わる字。

もう一つ混ざりやすいのが、「あ行」と「あ段」です。どちらも「あ」から始まります。「あ行」は「あいうえお」の5字、「あ段」は「あかさたなはまやらわ」の10字です。「あいうえお」と言える行が「あ行」、「あかさたな」と言える段が「あ段」、と声に出して確かめると区別しやすいと思います。

ローマ字と並べると見えること

行と段の仕組みは、ローマ字で書くとはっきり見えます。

あ段 い段 う段 え段 お段
あ行 a i u e o
か行 ka ki ku ke ko
な行 na ni nu ne no
ま行 ma mi mu me mo

横に見ると、か行はどれも k で始まります。縦に見ると、あ段はどれも a で終わります。ひらがなの「か」と「き」には、見た目の共通点はありません。それでも、ローマ字にすると同じ k が見えます。行は子音、段は母音、ということが、文字の形で確かめられるわけです。

小学校では3年生の国語でローマ字を習います。そのころに五十音表とローマ字の表を並べて見ると、ローマ字の覚え方も楽になると思います。進め方は小学3年生で習うローマ字に書きました。

規則どおりにいかない字

ローマ字にすると、規則から外れる字も見えてきます。

ヘボン式のローマ字では、さ行の「し」は shi、た行の「ち」は chi、「つ」は tsu、は行の「ふ」は fu と書きます。同じ行のほかの字と、子音のつづりが違います。これは、実際の発音が少し違うからです。

一方、訓令式では、「し」は si、「ち」は ti、「つ」は tu、「ふ」は hu と書きます。こちらは、表の行と段の仕組みにそのまま合わせた書き方です。二つの書き方の違いはローマ字のヘボン式と訓令式の違いに書きました。

どこまで教えるかについては、私は、小さいうちは「し・ち・つ・ふは、少し音が違う字」と知っておくくらいで十分だと考えています。発音の違いを詳しく説明するより、ローマ字で書くと違う、という事実を見せるほうが、こどもには分かりやすいと思います。

ほかに、や行とわ行には空いたマスがあり、「ん」はどの行にも段にも入りません。理由は五十音なのにひらがなが46字なのはなぜかにまとめています。

濁音と拗音も、行と段で見る

濁音は、行ごとに変わります。か行に「゛」をつけるとが行、さ行はざ行、た行はだ行、は行はば行です。段は変わりません。「か」が「が」になっても、あ段のままです。

拗音は、い段の字から作られます。「きゃ」「きゅ」「きょ」は、どれもい段の「き」に小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」をつけた字です。「しゃ」「ちゃ」「にゃ」も同じで、元になる字はすべてい段にあります。そして「きゃ」は kya で a の音、「きゅ」は kyu で u の音、「きょ」は kyo で o の音です。拗音は、い段の字と、や行の「や」「ゆ」「よ」を組み合わせたもの、と見ることもできます。詳しくは濁音・半濁音・拗音とはに書きました。

のちの学習で役立つところ

行と段の知識は、五十音表を覚えたあとも使います。

**国語辞典を引くとき。**国語辞典の見出しは五十音順に並んでいます。「か」の次は「き」、「こ」の次は「さ」。行と段の並びが頭に入っていると、引くのが速くなります。

**ローマ字入力。**パソコンやタブレットでローマ字入力をするときは、子音のキーと母音のキーを組み合わせて打ちます。「か」は K と A。行と段の仕組みそのものです。こどものローマ字入力にも書きました。

**中学校の文法。**中学校の国語では、動詞の活用を習います。「書く」は、「書かない」「書きます」「書く」「書けば」「書こう」と、か行の「か・き・く・け・こ」の五つの段すべてに形が変わります。こうした動詞を「五段活用」と呼ぶのは、このためです。「起きる」の「き」、「食べる」の「べ」のように、い段やえ段の音のまま形を変える動詞は、それぞれ「上一段活用」「下一段活用」と呼ばれます。ここで、小学校で覚えた行と段の言葉が、そのまま文法の名前として出てきます。

あいうえおのアプリで見比べる

あいうえおのアプリは、タップすると音が鳴る五十音表のアプリです。表は右端があ行、左端がわ行で、縦書きの五十音表と同じ並びです。

画面下のボタンで、ひらがなの「あ」、カタカナの「ア」、ローマ字の大文字「A」と小文字「a」に表を切り替えられます。表の形は同じまま、文字だけが変わるので、ひらがなの表で縦に並んでいた「かきくけこ」が、ローマ字の表では ka、ki、ku、ke、ko になって並びます。ローマ字はヘボン式なので、「し」は shi、「つ」は tsu と表示されます。行と段の仕組みと、そこから外れる字を、同じ場所で見比べられます。

「ゃ」のボタンを押すと、拗音の表になります。あ段のマスが「きゃ」「しゃ」などに、う段が「きゅ」、お段が「きょ」に変わり、い段とえ段のマスは元の字のままです。拗音が母音の段に沿って並ぶことが、表の上で分かります。

開発者インタビューで私は「こどもが自分で何かを発見できるように体験をデザインしたいと常に考えています」と話しました。切り替えのボタンを自分で押して、表がどう変わるかを見ることも、その一つだと思っています。

字をタップすると、その音が一字ずつ流れます。点数やごほうびはありません。iPhone と iPad で使え、どちらも横向きの画面です。iPad では表の下に書く場所があり、指でも Apple Pencil でも書けます。1,500円の買い切りで、広告やアプリ内課金はありません。使い方はあいうえおのアプリの始め方でご紹介しています。

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