← StudyX Devlog

鉛筆の持ち方の教え方:幼児が無理なく身につける順番

OBARA HirokiOBARA Hiroki · DeveloperBrainDojo Kids使い方
鉛筆の持ち方の教え方:幼児が無理なく身につける順番

鉛筆の持ち方は、小学校で習う内容です。小学校学習指導要領(平成29年告示)の国語では、1年生と2年生の書写に「姿勢や筆記具の持ち方を正しくして書くこと」が入っています。

ただ、家ではそれより前にクレヨンや鉛筆を持ち始めます。気がつくとグーで握っていたり、親指が人差し指にかぶさっていたりして、いつ、どう直せばよいのか迷う方は多いと思います。この記事では、持ち方がどう育っていくかという目安を整理し、そのうえで幼児に教える順番と、直すときの考え方について私の考えを書きます。

持ち方は段階を追って変わる

こどもの持ち方は、いきなり大人と同じ形になるわけではありません。作業療法の分野では、筆記具の持ち方の発達がよく調べられていて、Schneck と Henderson の1990年の研究などをもとに、おおよそ次のような段階で説明されることが多いです。

  1. 手のひら全体で握る。 1歳から2歳ごろ。グーの形で握り、腕全体を動かして描きます。
  2. 指を使って握る。 2歳から3歳ごろ。指先が紙のほうを向き、手首より上の腕で動かします。
  3. 3本の指で持つが、指は動かない。 3歳から4歳ごろ。親指、人差し指、中指で持つ形になりますが、動かしているのは手首や腕です。
  4. 3本の指先で動かす。 4歳半から6歳ごろ。指先の細かい動きで線を描けるようになります。

年齢はあくまで目安で、個人差はかなりあります。大事なのは順番のほうです。3歳の子がグーで握っているのは、遅れているのではなく、その段階にいるということです。

もうひとつ知っておくと気が楽になる研究があります。Schwellnus らの2012年の研究は、小学4年生ごろのこどもの持ち方を比べ、教科書どおりの3本指の持ち方と、親指の位置が少し違う持ち方や4本の指で持つ持ち方の間で、字の読みやすさや書く速さに差が見られなかったと報告しています。正しい形はひとつだけ、と考えなくてよいということだと思います。

教える順番

私は、持ち方そのものを教える前に、手と体の準備を先にするほうがよいと考えています。順番にすると次のようになります。

1. 姿勢と紙の置き方

足が床か台につく高さの椅子に座り、背中を少し伸ばします。鉛筆を持たない手で紙を押さえます。姿勢が崩れていると、指先より先に腕や肩に力が入り、持ち方も崩れやすくなります。学習指導要領が「姿勢」と「持ち方」を一緒に挙げているのも、そのためだと思います。

2. 指先でつまむ遊び

小さなものをつまむ、シールを貼ってはがす、粘土を指先で丸める。親指と人差し指でつまむ動きは、鉛筆を持つ形の土台です。折れて短くなったクレヨンも役に立ちます。短いと手のひらで握れないので、自然に指先で持つことになります。

3. つまんで、中指にのせる

形を見せるときは、言葉で細かく説明するより、大人がやって見せるほうが伝わります。親指と人差し指で軽くつまみ、中指の横で下から支える。そのくらいの説明で十分だと思います。いきなり完璧な形を求めず、まずは「指でつまんでいる」状態になれば合格です。

4. 大きな線から小さな線へ

持てるようになったら、文字の前に線を引きます。縦線、横線、ぐるぐる、ジグザグ。最初は紙いっぱいに大きく描き、だんだん小さくしていきます。腕で描いていた線が、指先で描ける大きさに近づいていく流れです。

5. 文字

線が引けるようになってから、文字に進みます。最初の文字は、自分の名前がよいと思います。いつ文字を書き始めるかについては、ひらがなは何歳から書ける?書き始めの目安と準備に詳しく書きました。

直すときの考え方

すでに癖がついている場合でも、私は少しずつ直せばよいと考えています。

書いている最中に止めない。 文字や絵に集中しているときに手を取って直すと、書くこと自体が嫌になりがちです。書き終わってから、もう一度持ってみよう、と声をかけるほうが受け入れやすいと思います。

一度に一つだけ。 親指の位置、握る強さ、鉛筆の傾き。気になるところがいくつあっても、その日に伝えるのは一つにします。

形より、困っているかを見る。 上の研究のように、教科書どおりでなくても困らない持ち方はあります。一方で、指先が白くなるほど強く握る、すぐに手が疲れる、手が痛いと言う、という様子が続くなら、直す理由になります。それが長く続くときは、学校の先生や作業療法士などの専門家に相談するのがよいと思います。

大人の持ち方を見せる。 こどもは、横で書いている大人の手をよく見ています。一緒に書く時間をつくるだけでも、何度も言葉で伝えるより効果があると私は考えています。

補助具と鉛筆の選び方

持ち方を助ける道具には、軸が三角形の鉛筆、太めの軸の鉛筆、鉛筆に付けるグリップなどがあります。どれも、指を置く場所が分かりやすくなるのが良いところです。

鉛筆の芯は、やわらかめ(Bや2Bなど)のほうが軽い力で濃く書けます。硬い芯で薄い線しか書けないと、こどもは力を入れて握るようになります。長さは、新品の長い鉛筆より、少し短くなったもののほうが幼児の手には扱いやすいと思います。

私は、補助具は入口として使い、ずっと頼るものではないと考えています。指を置く場所が手に覚えられたら、普通の鉛筆に戻してみる。それで崩れるなら、また補助具に戻す。そのくらいの気軽さでよいと思います。

画面で書くことと、紙で書くこと

タブレットに指で書くことと、紙に鉛筆で書くことは、手の使い方が違います。指で書くときは鉛筆を持ちません。ですから、アプリで文字の形や書き順を練習しても、それだけで鉛筆の持ち方が身につくわけではありません。

私の考える分け方は、線や文字の形をなぞって覚える練習は画面でもでき、持ち方の練習は紙と鉛筆で、というものです。どちらか一方にする必要はなく、行き来すればよいと思います。

BrainDojoきっずでできること

BrainDojoきっずは、3歳から6歳向けの iPhone・iPad アプリです。指やペンで画面に書いて、文字や数を練習します。コースは「なぞる → うつす → かく → ためす」の4つの段階で進みます。

この記事の順番に当てはめるなら、文字の前の線の練習には「はじめてのうんぴつ」が合っています。線をなぞって、鉛筆で書く前の手の動きに慣れるためのコースで、最初の4ステージは無料です。

紙と鉛筆で練習したいときは、ツールの「なぞりシート」で練習用のシートを印刷できます。ひらがなの1枚目は無料です。持ち方は紙の上で確かめ、形はアプリでなぞって覚える、という使い分けができます。

保護者の設定には1日の利用時間の上限があり、初期値は10分です。広告はなく、アカウント登録もいりません。基本は無料で、すべてのコースとゲームを使うにはプレミアム(月額または年額)の登録が必要です。

最初の使い方はBrainDojoきっずの始め方で、毎日つづけるコツはBrainDojoきっずを毎日つづけるためのヒントでご紹介しています。

App Store でダウンロード