ピアノの指番号とは:こどもに教えるときのポイント

ピアノの楽譜を開くと、音符のそばに1から5までの小さな数字が書かれていることがあります。これは「指番号」で、その音をどの指で弾くかを表しています。音の高さや長さとは関係がなく、弾き方のための目印です。
こどもの楽譜を見て「この数字は何だろう」と思った保護者の方に向けて、この記事では指番号の決まりと、こどもに教えるときに私が大事だと思う点を書きます。
指番号の決まり
ピアノの指番号は、次のとおりです。
- 1:親指
- 2:人さし指
- 3:中指
- 4:薬指
- 5:小指
右手も左手も、親指が1、小指が5です。左右で別の番号を使うわけではありません。
楽譜のどこに書くかは楽譜によって少し違いますが、右手で弾くト音記号の段では音符の上に、左手で弾くヘ音記号の段では音符の下に書かれていることが多いと思います。すべての音符に番号があるとは限らず、手の位置が変わるところや、迷いやすいところにだけ書かれている楽譜もよくあります。
なお、この数え方はピアノのものです。たとえばギターの左手では人さし指を1と数え、親指には番号をつけません。また、19世紀のイギリスでは、ピアノでも親指を「+」や「0」で表し、人さし指から小指を1から4と数える書き方が使われていました。英語版 Wikipedia の「Fingering (music)」にもこの違いが書かれています。古い楽譜や別の楽器の教本を見て混乱したときは、この点を思い出してください。
左右で同じ番号、逆の動き
指番号でこどもがつまずきやすいのは、左右の手が鏡のような関係にあることです。
右手を鍵盤に置いて、ドに親指、レに人さし指と順に並べると、ドレミファソが1・2・3・4・5になります。同じドレミファソを左手で弾くと、ドに小指、ソに親指がきて、5・4・3・2・1になります。番号の決まりは同じなのに、上がっていく音に対して、右手は数字が増え、左手は数字が減ります。
大人にとっては当たり前でも、こどもにとっては分かりにくいところです。私は、最初のうちは右手と左手を別々に練習して、それぞれの手で番号と鍵盤の関係に慣れてから両手に進むのがよいと考えています。
こどもに教えるときのポイント
楽譜より先に、自分の手で覚える
いきなり楽譜の数字と鍵盤を結びつけようとすると、見るものが多すぎます。先に、自分の手と数字を結びつけておくと楽です。
手のひらを広げて、親指から順に「1、2、3、4、5」と一緒に数えるだけでも十分です。紙に手を置いて形をなぞり、指の先に数字を書き込むのもよいと思います。右手と左手の両方の形を描いておけば、左右とも親指が1だということが目で分かります。
番号を言って、指を動かす遊び
数字と指が結びついてきたら、机の上に手を置いて、大人が言った番号の指だけを持ち上げる遊びができます。「3」と言ったら中指、「5」と言ったら小指です。右手に慣れたら左手、それから「右の2」「左の4」と左右を混ぜます。
やってみると分かりますが、4の薬指はひとりで動かしにくい指です。持ち上げようとすると、隣の指が一緒についてくることがよくあります。これはこどもの手が未熟だからではなく、大人でも動かしにくい指です。うまくいかなくても気にしなくてよいと思います。
最初は1本の指に1つの鍵盤
はじめのうちは、5本の指を隣り合う5つの鍵盤に1本ずつ置いて、手を動かさずに弾ける曲から始めるのが分かりやすいと思います。指番号と鍵盤が一対一で対応するので、数字を見ればどの鍵盤かがすぐに決まります。
親指を他の指の下にくぐらせる、指を越えさせる、といった手の位置を変える動きは、この形に慣れてからで遅くないと私は考えています。
番号どおりに弾かないとき
こどもは、指番号を無視して弾くことがよくあります。人さし指だけで全部弾く、弾きやすい指で押してしまう、という姿です。それでも音は出ますし、曲も弾けます。
それでも指番号が書かれているのは、次の音、その次の音を弾くときに困らないためです。番号どおりに弾くと、手を大きく動かさずにフレーズを続けられ、指が足りなくなることも減ります。短く簡単な曲では違いが分かりにくくても、曲が長く速くなるほど差が出てきます。
ただ、私は小さなこどもに対して、指番号を厳しく直しすぎないほうがよいと考えています。弾くたびに「指が違う」と止められると、ピアノそのものが楽しくなくなってしまうからです。曲が最後まで弾けたことをまず一緒に喜んで、そのあとで「この音は3の指で弾くと、次が楽になるよ」と一度だけ見せるくらいがちょうどよいと思います。
番号どおりに弾くと自然に楽になる曲、つまり手の位置が変わらない短い曲を選ぶことも助けになります。そういう曲では、番号を守ることと弾きやすいことが一致するので、こども自身がその良さに気づきやすくなります。
楽譜と指番号に慣れる練習に
キンダーピアノは、3歳ごろから小学校低学年までのこども向けの、iPhone と iPad で使うピアノアプリです。4歳の娘のために作りました。ト音記号とヘ音記号の楽譜で、次に弾く音符がハイライトされ、その音符の上に指番号が出て、押す鍵盤が光ります。楽譜の数字と自分の指、そして鍵盤を同時に目で追えるので、この記事で書いた「数字と指を結びつける」練習の続きとして使えると思います。
練習するパートは「メロディ」「ばんそう」「ばんそうつき(りょうて)」から選べるので、片手ずつ慣れてから両手に進むことができます。「ゆっくり」モードは正しい鍵盤を押すまで待ってくれるので、指番号を確かめながら一音ずつ進めます。画面の鍵盤だけでもすべて使えて、Bluetooth や USB の MIDI キーボードをつなぐこともできます。
どうよう21曲はすべて無料で、クラシックと音感ゲームは最初の1つずつ、自由演奏と MIDI 接続も無料で使えます。1回の買い切りで、残りのクラシックと音感ゲームのすべてのレベルが開きます。広告もサブスクリプションもありません。
使い方は キンダーピアノの始め方 に、始める時期については ピアノは何歳から始めるか に書きました。
